琵琶湖市民清掃で大津市は2016年度以降、ごみ収集運搬を随意契約で4業者へ委託している。大津市が契約金額の根拠としたのは、大津市自治連合会が主体となる任意団体「琵琶湖を美しくする運動実践本部」が作成した“どんぶり勘定”のデータだった。以来、延々と無駄な支出が繰り返されている。

ウオッチドッグは、前身の大津WEB新報の時代から、琵琶湖市民清掃の問題を追っている。「美化運動」の名の下、大津市と実践本部が一体となって、無茶苦茶な運用を続けてきた。かつては、ごみの計量もせず、無許可業者の収集を黙認してきた。廃棄物処理法違反の疑いがあり、環境省も問題視していた。過去の報道を引用しながら、その変遷を振り返ってみる。

2015年以前は、謝礼金を受け取った建設業者や処理業者が運搬。一般廃棄物のごみ処分の手続きなし

2015年度以前は、約130万円の建設業者や廃棄物処理業者へ車両借り上げ代を渡していた。(2105年当時、ウオッチドッグ記者が作成)

こうした「計量なし」、「データなし」、「業者らの便乗投棄可能」な処分方法が明らかになった途端・・・。

↓2016年7月21日付・大津WEB新報

市民に向けては、「市が収集する」と「広報おおつ」と強調していた。実践本部の臨時総会では、自治連合会長らにも「市に行ってもらう」と説明していた。その一方、水面下では、4業者らとの随意契約の話が進んでいた。

2016年度、大津市自治連合会が主体の「琵琶湖を美しくする運動実践本部」が提示した各学区のごみ量を精査すると、堅田36トン、唐崎27トン、滋賀28トン、藤尾12トン、長等14トン、下阪本9トン、大石19トン、田上31トン、瀬田7トン、瀬田東4トンなど、泥ごみを合計315トンを集めるとしていた。これらの量をどこから算出したのかは不明だ。

例えば、ウオッチドッグが記録した2015年度のごみ量のデータでは、田上学区が断トツで泥回収の量が多かった。しかし、2016年度に実践本部が随意契約のごみ量として、市と業者らへ提示したデータでは、田上学区の3分の1の泥量だった滋賀学区が、田上学区とほぼ同量の見積りになっている。そもそも、他市では、30分から1時間で市民が集める清掃ごみとして、「泥」の収集は想定していない。こんないい加減なデータを元に、大津市は2016年度、4業者と2,250万円の随意契約を見積もっている。

2016年度の4業者のごみ収集運搬費は、2,250万円 + 自治連主体の実践本部にも補助金550万円

↓2016年7月4日付・大津WEB新報

2017年の4業者との随意契約金は、2090万円だった。前年より、一気に200万円が減額となっている。何がどのように減ったのか、まともなデータがないので理由は不明のまま。契約関係の文書は7ページ分しか残されていない。

2017年度の4業者のごみ収集運搬費は、2,090万円 + 自治連主体の実践本部にも補助金560万円
2017年5月に琵琶湖市民清掃の監査請求を自治会オンブズマンの加藤英子さんが提起。

琵琶湖市民清掃の監査請求/加藤英子さんら意見陳述/市民清掃№105

市民らに監査請求を提起されると、随意契約の見積書が、翌年から600万円減額となった。何がどのように減ったのか、詳細なデータが示されないため、不明。

2018年度の4業者のごみ収集運搬費は、1,500万円 + 自治連主体の実践本部にも補助金560万円

ごみ運搬、昨年より3割減額/「理由分からない」と市担当者/業者と随意契約/琵琶湖市民清掃№17