シリーズ「逃げた監査委員」の第5弾は、監査請求書に記載していた基本的な事実(「琵琶湖を美しくする運動実践本部」の会計が滋賀県建設業協会大津支部)が、監査委員の監査結果に記載されなかったことです。
シリーズ「逃げた監査委員」では、琵琶湖市民清掃のごみ収集運搬の随意契約に関する住民監査請求の中で、大津市の監査委員が意図的に判断を避けた部分を丁寧に指摘していきます。
2015年度以前は、補助金560万円の中から、滋賀県建設業協会大津支部に所属している建設会社らが、謝礼金を受け取り、一般廃棄物の琵琶湖市民清掃のごみを、届け出なしで収集運搬をしていました。こうした実施形態は2016年度以降、家庭系ごみ収集運搬の4業者へ随意契約(毎年ほぼ同額の1,500万円)で委託する形に変更されました。
請求人の市民らは、大津市自治連合会が介入して、琵琶湖市民清掃の事業費が肥大化していることや、必要がないのに、560万円の補助金を受け取り続けていることについても、陳述で厳しく追及していました。無駄な事業を続けている会計担当者はどこの団体なのか、琵琶湖市民清掃の事業費の推移や背景の詳細を伝えてましたが、これらは監査結果には記載されませんでした。
2016年からごみ収集は委託になったのに、補助金560万円を減額することなく、実践本部に支払い続けています。
他事業でも同じことが起きてますよね。令和になった現在でも、昭和の仕組みのまま。
行政が支援する美化活動の事業で、建設会社の団体が会計になっているのは、全国的にも珍しいのでは。
ちなみに、2015年度の補助金による建設業者らへの運搬謝礼費の合計(領収書がないものを含む)は964,940円、車両借上げ代の合計は1,361,514円ということも監査請求書に記載していましたが、監査結果ではスルー。意見陳述の時、監査委員は「なぜ、2016年度に収集運搬の方法が変わったのか?」と変更した理由を知りたがっていましたが、担当課に確認しなかったのでしょうか。