2024年6月30日、大雨で行われた琵琶湖市民清掃。実施したのは大津市と任意団体「琵琶湖を美しくする運動実践本部」(主体は大津市自治連合会)だが、「実践本部」のホームページ(HP)には、団体の役員名や実績、予算などの資料は何ひとつ掲載されていない。
一方、滋賀県や大津市以外の市が参加している「美しい湖国をつくる会」のHPには、運営団体や予算、実績などの基本情報が毎年、更新されている。
大津市の「実践本部」がこうした情報を公開しないので、ウオッチドッグ記者が情報公開請求で入手した団体に関する資料を公開する。

上記は、滋賀県と大津市以外の市が参加している「美しい湖国をつくる会」のホームページ。収支計画・予算、決算、役員・支部、共催企業一覧等の情報が掲載されています。県民にボランティア参加を呼びかけているのですから、こうした情報を公開するのは当たり前です。

まさか、まさか。大津市環境政策課が事務局になっている「琵琶湖を美しくする運動実践本部」のホームページは、次のようになっています。ご覧の通り、基本情報の掲載なし。滋賀県民はよ~く見比べてください。
これでは、大津市民が、滋賀県の美化活動に参加していると思ったら、実は、情報不明の怪しい団体に知らず知らずに参加させられている感じです。まるで詐欺。

大津市の「琵琶湖を美しくする運動実践本部」は、団体のHPに運営に関する基本情報を一切掲載していません。このHPは大津市の補助金、つまり市民からの税金で作成されています。
必要な情報が掲載されていないので、ウオッチドッグ記者が、情報公開請求をし、手数料を支払って入手した団体に関する公文書の一部を、大津市民のために公開することにしました。

2024年度の「実践本部」の本部長は、大津市自治連合会長の北川吉男氏、副本部長は元滋賀県議の佐野高典氏。事務局は大津市環境政策課で、事務局長は、大津青年会議所の末竹哲也氏。会計は、滋賀県建設業協会大津支部の金子貴一氏などとなっています。

「実践本部」の役員の「幹事」として、大津市市民部長の田中鉄也氏と環境部長の初田久徳氏が名を連ねています。市役所内の会議室で任意団体の会議を開催し、市はたっぷり協力体制を敷いています。
2023年度 収支決算書①

たった年1回の行事に、この団体へ大津市から520万円の補助金が出ています。2015年度以前は、補助金の中に収集運搬費用も含まれていましたが、2016年度以降は、団体への補助金520万円とは別に、収集運搬費を家庭ごみ4業者と約2,000万円で随意契約しました。市民らから住民訴訟を提起された後に、随意契約金を1,400万円に減額。さらに、この1400万円をめぐり、住民訴訟が継続中です。

補助金の中の収集運搬費用を削減する見直しをせずに、年520万円の公金支出が続いています。
「ごみ袋なんか、参加者に各自持参させたら、こんなムダな補助金はいらんやろ」とウオッチドッグ記者は考えています。
2023年度 収支決算書②

下記資料は、2023年度の実施結果報告書です。年1回の行事のため、何度も市役所で会議を開いていますが、2024年6月30日(日)のどしゃぶり雨天時に、「雨天決行」を誰が決めたのかという記録は存在しませんでした。肝心なことを記録していませんし、HPにも掲載していません。市民からの雨天決行に対する苦情も知らんぷりでしょうか。
2023年度 事業結果報告書