ウオッチドッグ編集部は、7月3日から5日の3日間、高知県中央部(南国市、香南市、香美市)を流れる一級河川・物部川流域の取材に訪れた。7月3日の昼過ぎ、物部川漁業協同組合の松浦秀俊組合長の案内で、私たちは物部川上流に向かった。
雨が降り続いたこともあり、川の水位はいつもより高いという。
「濁ってるね。だめだ、だめだ。昔のような本来の川だったら、雨が降った後は数日で濁りが消え、透き通った川に戻っていました。今は泥を巻き上げて下流に流れ、濁水が長期化している。大きな岩がないし、瀬も淵もない。水路のように、一気に流れこんでいるだけです」

車中で松浦組合長が物部川の変化を話し続けた。
山道を進む途中に、地元の蕎麦屋があった。
「ここでお昼にしましょう。山間部の蕎麦店です。以前はもっと上流にあったんですけど移転しました」
休憩のために店に立ち寄り、薬膳蕎麦を注文した。驚いたことに、高知の蕎麦は麺が短い。本州の“長くてコシのあるそば”とは違い、香りと噛みごたえを楽しむものだという。初めて口にする短い蕎麦はなかなか美味しかった。

昼食を堪能した後、さらに上流へと車を走らせた。今年で70歳になる松浦組合長は60年間、小学生の頃から物部川に慣れ親しんできたという。
「当時は遊ぶものといったら何もないから、子どもは川で遊んでいました。今とは全然違う。物部川はきれいな川でしたよ。高知県は『海の県』というイメージが強いかもしれませんが、実は山林の県なんです。山地率は84%で全国一です。山も川も豊かでした。そのきれいな川がこんな風になってしまうとは…。まるで(入浴剤の)バスクリンを溶かしたような色でしょう。バスクリンが入っている風呂のお湯と一緒。流れがないからとどまってしまう」
濁水と清水の違いがよくわかる場所があるという。物部川を知り尽くしている組合長が指さした方向を見て驚いた。
「あそこを見てください。透明な水が支流から流れている。本流はバスクリンのような色ですよね。せっかく支流からきれいな水が入ってきても、飲み込まれて濁水になってしまう。きれいな水が台無しです」
ウオッチドック編集部は、川の色の違いに驚きながら取材を続けた。(次回につづく)

