高知県の物部川流域に入ったウオッチドッグ編集部は、最終日となった7月5日、河口から近くの河岸まで物部川漁協の松浦秀俊組合長に案内してもらった。漁協からの要望を国が取り入れ、物部川の再生に取り組んでいるという。2018年の西日本豪雨によって傷ついた物部川の災害復旧工事で「近自然工法」が採用された。2019年に漁協の要望を設計段階から取り入れた官民連携の取り組みだ。

物部川河口までの河川沿いに、さまざまな石が山積みになって点在している。「瀬の復旧」のため、上流の川底から集めた石を運び込み、大きさによって選別した後、下流の川底に大きい石を入れ、小さい石や細かい砂泥は堤防に持っていく作業をしているという。

従来の工法は河岸をブロックで固めるだけだった。単調な川の流れになり、生き物が住めなくなってしまう。一方「近自然工法」で川づくりをした場合、生き物が住みやすく、河岸にあたる水流を弱めるため治水にもなると言われている。

従来工法と近自然工法の比較/生成AI

河口付近の河岸には小石が積まれている。河岸に石を置き、川の流れを湾曲させながら増水時に対応する。治水のための取り組みでもある。

川の流れが積まれた石にぶつかり、護岸が自然になる。縦断面でも横断面でも、なだらかな方が河川管理上、また河川環境上よく、それが本来の瀬であるという。末期症状の川には河床材を投入し、意図的に戻さないと、本来の川の姿には戻らない。

幅10メートル、長さ100メートルぐらいのスペースを確保し、砂利を厚さ20センチほど敷き詰め、産卵場を作る。

「近自然工法」でアユの産卵場が再生すると、産卵の光景が見れる。

あゆの産卵と卵/松浦組合長提供

「最終的な仕上げは川がしてくれる。後は川に任せるだけです。川は川に作らせます」

松浦組合長が説明の最後にこう締めくくった。次回につづく。