元農水相の岩永峯一氏が理事長を務める青年会館の敷地を、滋賀県が無償提供していた問題で、この施設に事務局を置く「滋賀県青年団体連合会」が、団員数を水増しして県側に報告していたことが明らかになった。ウオッチドッグ編集部の取材に対し、事務局長が県への虚偽報告を認めた。県内各地の青年団の人数は、合わせて92人だったが、300人に水増しされていた。

滋賀県側は虚偽の報告を鵜呑みにしていた。今後、県のこうしたずさんなチェック態勢も厳しく問われそうだ。

ウオッチドッグ記者が「滋賀県青年団の活動実態がわかる資料(登録人数を含む)」を情報公開請求すると、県子ども・青少年局は、日付や作成者名が記載されていない文書1点を開示した。昨年9月に随時監査があったため、県青年団体連合会に問い合わせして、人数を確認したという。

この文書によると、加盟している青年団は10(もりやま、甲賀、日野、能登川、あいとう、長浜、今津、新旭、朽木)。しかし、内訳は示されず、合計数が「およそ300人」などと記載されているだけだった。

ウオッチドッグ編集部は、2016年度の青年団の団員数を各市町に確認した。県内の青年団の団員数は計92人だった。内訳は、守山10人、甲賀4人、日野6人、竜王51人、能登川5人、あいとう0、長浜0、今津6人、新旭7人、朽木3人だった。

こうした事実を踏まえ、滋賀県青年団体連合会の事務局長に電話で確認すると、「およそ300人」と滋賀県に伝えた団員数は水増しした数字だったことを認めた。「団員の名簿は持っていない。イベントに参加したOBや団員の友人などの数を含めた」と話した。

県子ども・青少年局は、実態よりも3倍超も水増しされた数字をチェックしようともせず、それを公文書として開示した。

滋賀県は、県内92人の青年団員が無償で集会場所を利用したり、宿泊できるようにするため、元農水大臣の岩永峯一氏が理事長の滋賀県青年会館に対して、約1000万円もする土地代を毎年、無償にしていたことになる。

↓滋賀県子ども青少年局が、県青年団連合会から確認をとった団員数/日付も記入者名も記載なし

↓2015年12月24日・子ども・青少年局が、自然保全課へ回答した「使用料減免の実態調査」