巷では、安倍内閣の「桜を見る会」の話題で盛り上がっています。野党の追及をテレビで見ながら、ウオッチドッグ記者が気になったのは、「(桜を見る)会は各界で功績、功労のあった方々を招いて開催している。地元には自治会やPTAの役員をしている方々もいるので、後援会の方々と重複することもある」という安倍首相の発言でした。
「へぇ。そうなんだ。自治会やPTAの役員をしていたら、内閣府から、各界の功績、功労があった人物と認定されるんだ。公益のため、人々のために何をしたかではなく、とりあえず、自治会やPTAの役員やりましたで、招待枠に入るんだ。山口県から850人も、自治会とPTAの役員が参加したんだ。その参加した850人の役員らが首相の後援会員なんだ」と知ったことです。
全国では、自治会やPTAの役員をしている人らは、数えきれないほどいると思いますが、なぜ、山口県を中心に選ばれているのか? なぜ、首相推薦枠の1,000人のうち、85パーセントも自治会とPTA役員が占めているのか? 不思議だなあと思いました。
↓2019年11月15日日刊ゲンダイ・見出し
↓2019年5月14日東京新聞・見出し
↓2019年11月22日のTBSニュースより
「桜を見る会」は、功労者と功績者を招待するとしながら、基準があいまいと、各社が報道していました。政治枠と省庁枠で、2つの区分けで功労者と功績者が選定されているというのを見て、「これって、大津市の表彰の仕組みとよく似ているなあ」と思いました。
下記は、2018年12月15日号の「広報おおつ」で発表された表彰者です。文化賞、スポーツ賞、教育功績賞という分野ごとの表彰と一緒に、市政功労者も発表されています。この市政功労者ですが、長年、自治連合会長を務めた自治連幹部らの名前がずらりとありました。それ以外の市政功労者は、元市議や委員会の委員経験者らと考えられます。
文化賞の選出は、文化・青少年課が、スポーツ賞は、市民スポーツ・国体推進課が、教育功績賞は、教育総務課が推薦した人物です。部局枠ということで、「桜を見る会」でいうところの「省庁枠」と意味合いはほぼ同じでしょう。
では、自治連会長らを表彰する市政功労者は、どこの課が推薦したかというと、市長直轄の秘書課です。これが、「政治枠」にあたるのではないでしょうか。
大津市秘書課のホームページによりますと、市政功労者は、大津市市政功労者表彰規定を元に表彰しているとしています。その規定の中でも、「その他市自治行政上特に功労顕著なる者」という曖昧な項目があります。この規定が、自治連合会長らが表彰された根拠のようです。誰を「自治行政上特に功労顕著なる者」として表彰するのかは、市長の裁量が大きいようです。政治家に選んでもらった功労者たちは、心情として、政治家の応援部隊として動くようになるのではないでしょうか。自治会役員らと政治家の後援会との結びつきは、かくのごとしでは。
大津市は、市政功労者らを「広報おおつ」で発表していますが、内閣府は、功労者として、「政治枠」で「桜を見る会」に招待した人たちの名簿を1年も経過しないのに、全て破棄しました。「省庁枠」として残されていた4,000人の名簿は、ほぼ黒塗りで、国会へ提出されたということです。15,000人の参加者のうち、政治枠の9,000人は、全て内閣府のシュレッダーで破棄し、省庁枠は2,000人分が残されていないということになります。
地方自治体でさえ公開し、保存している功績者、功労者の名簿を、政治の模範となるべき内閣府が、非公開としただけでなく、1年未満で破棄するとは、信じられないことでしょう。
↓2019年11月22日・NHKニュース