元農水相の岩永峯一氏が理事長の一般財団法人滋賀県青年会館が、年約1000万円の県有地を長年無償で借りながら、一般客相手のホテルの営業をしていた問題で、2017年9月に行われた随時監査では、「近辺の同業者は不公平という思いがあるのでは」「インターネットで調べると旅館として出てくる」などと厳しい指摘を受けていことが、議事録からわかった。

滋賀県市民オンブズマンが2017年8月に監査請求し、この問題が表面化した。随時監査は9月26日に実施された。監査対象は、滋賀県の財政課、自然環境保全課、子ども・青少年局の3部署。

監査の対象となったのは、2016年度から2017年度まで。一般財団法人滋賀県青年会館に滋賀県の土地を貸し出し、使用料を免除にする所管課の考え方など。

精査した監査委員は、「法人に関係した範囲の収益事業でないこと」や、「一般客相手に商売することは、同業者への圧迫になる」「庶民感覚とは違う」と指摘していた。「インターネットで調べると、旅館として出てくる」と、楽天トラベルなどのサイトで、宿泊施設として幅広く営業していることを問題視していた。

これに対して、所管課の子ども・青少年局は、「値段が安く、それほど周りに影響があるものではないと思う」と答えていた。

さらに「貸借対照表の細かな数字を見たのは今回が初めてなのか」という問いに対して、「そうである」と、杜撰な実態を自ら認めた。