滋賀県市民オンブズマンらが、滋賀県を相手取り、約2億2,500万円の損害賠償請求と減免中止などを求めていた訴訟の判決が9日、大津地裁であった。堀部亮一裁判長は、一般財団法人「滋賀県青年会館」の県有地に対する滋賀県の減免措置決定は、裁量権を逸脱濫用しており、違法だと認めた。県青年会館は、元農水相の岩永峯一氏が理事長を務めている。

滋賀県は県有地(4,857㎡)を50年以上、無償で貸していた。滋賀県市民オンブズマンらに監査請求を提起されると、県は行政監査を受け、減免率100%を見直した。本来1,100万円の使用料のところ、新たな減免基準を設け、激変緩和措置として、2019年度は19万円、2020年度は37万円と破格の安さで貸し出しを続け、2021年度からは使用料56万円(減免率95%)で固定した。

判決は、滋賀県知事の青年会館に対する減免決定は、「裁量権を逸脱濫用した違法な決定」と結論づけた。その理由として、100%の減免措置が適用されるには、「県の施策を補完・代行する」場合でなければならないが、青年会館が行った事実は認められないことを挙げている。さらに、県内には民間や公営の宿泊施設が数多くある中、青年会館の利用を勧める合理的理由も必要性も乏しいとして、県の主張を退けた。

その一方、減免措置を決定した三日月知事には、「職務上の具体的な注意義務違反は認められない」として、原告らの賠償請求までは認めなかった。

南郷水産センターについては、監査請求期間が1年以上を過ぎているという理由で、1億4,788万円(2016年~18年の3年契約分)の返還請求を却下した。

判決は、南郷水産センターの県有地の減免については、水産増殖事業がほぼ終了したといえる状況でも、琵琶湖の環境や資源について紹介する資料館などを備えた施設であることから、琵琶湖をはじめとする滋賀県の優れた環境、資源の保全に効果があるとし、知事の裁量権に基づく判断は合理的であるとした。

原告の滋賀県市民オンブズマンの浅井秀明氏は、ウオッチドッグの取材に対して「水産センターは金額も大きい。控訴を検討している」と話した。

ウオッチドッグはこれまで、滋賀県青年会館と南郷水産センターに関する市民オンブズマンらの住民監査請求の動きを取り上げてきた。

2019年7月22日付・ウオッチドッグ(当時の請求金額は、水産センターの一部土地売却前の算定金額)

2億5,555万円の賠償を求める/青年会館と南郷水産センターの県有地使用料/県市民オンブズが住民監査請求/ウオッチ滋賀№29