国会議員の給与と手当約7,500万円が、2008年のリーマンショック後の大不況時代や東日本大震災の国難時代から現在まで、金額が変わっていないことがわかった。東日本大震災時は復興費用を捻出するため、2012年から国会議員の給与は2割削減したが、2014年5月に元に戻している。新型コロナウイルス禍では、2020年5月から給与を2割削減したが21年11月には元へ戻す。ちなみに、ボーナス年間635万円はずっと削減されていない。国会議員による「身を切る改革」のアピールは、批判かわしの一時的なものでしかない。国民負担率は増加し続けているが、国会議員の優遇は維持されたままだ。

国会議員の給与は、「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」に規定されている。議員1人あたりの給与は、月額129万4,000円。年間給与(129万4,000円×12ヶ月)は、1552万8,000円。これに、ボーナス635万円が加わり、約2,200万円。20年5月から21年10月までは、2割削減の月額103万5,200円に変更している。国民から「コロナ禍なのに国会議員が身を切らない」と批判が出たため給与を減らしたが、1年半だけだ。

国会議員は、年間2,200万円の給与の他に、下記の各種手当を受け取っているが、税金を納める必要も、領収書の提出も必要ないという、市民の生活感覚と乖離した特権をずっと維持し続けている。

↓【池上彰のみんなで考えよう「18歳からの選挙」(文溪堂)より】

    名目      金額    内容
文書通信交通滞在費 1,200万円(月額100万円 通信にかかる費用
立法事務費 780万円(月額65万円) 調査研究などの費用
秘書給与 1,800万円~2,400万円 3人まで公費で賄える
議会雑費 日額6,000円以内 国会開会日数分が支給
JR特殊乗車券・
国内航空会社航空券
使用分 JRグリーン車が無料か
航空券月4回往復
旅費 使用分  
党からの支給   政党によって有無など違う

↓財務省のホームページより

リーマンショック後の2009年の国会で、鈴木宗男議員が、麻生太郎首相(当時)へ「国会議員の歳費や定数削減等」について、質問主意書を提出し、見解を問うている。

現在国会議員一人当たり、月百三十万一千円の歳費が支給される。他に、月百万円の文書通信交通滞在費や六十五万円の立法事務費、年間約六百三十五万円の賞与やJR、航空券の無料クーポン券、更には公設秘書の給与を含めると、国会議員一人当たり、月約五百七十三万円、年約七千五百万円の経費がかかっている計算になると承知する。
現在我が国が、麻生総理が「百年に一度」と形容するほどの大変な不況に見舞われ、国民一人一人が苦しい思いを強いられている今、国会議員としても、歳費や各種手当の減額を自ら積極的に受け入れるべきであると考えるが、自民党総裁として、また、国の予算を司る内閣の長として、麻生総理は国会答弁の通り、国会議員の歳費削減に向け、リーダーシップを発揮する考えはあるのか再度質問する。