国が介護施設などへ布製マスク(アベノマスク)を配布するのに、2020年度で390億円の予算がとられているが、一般マスク(サージカルマスク、不織布マスク)2億3,000万枚を配布する予算は、262億円に収まっていることがわかった。日本郵便の配達網を使わず、各都道府県、指定都市、中核市が指定する場所へ一括して送付する仕組みになっている。国が買い上げた後、委託された業者がそれぞれの宛先に送付する。送付作業をする委託業者の委託費も含まれている。メーカーが検品しているので、アベノマスク事業で膨れ上がる、「検品」「袋詰め」「コールセンター」など余計な費用も発生しない。介護施設などが必要としているのはどちらなのか、厚労省のマスク等物資対策班(マスク班)は、現場のニーズを把握していない。

「介護施設など」への2020年度の一般マスクの配布総数は、サージカルマスク4,000万枚、不織布マスクが計2億3,000万枚となる。厚労省が各都道府県などへ出した6月12日の事務連絡によると、第1弾として、6月下旬から7月上旬にかけて、サージカルマスク4,000万枚を送付する。第2弾は、9月までに不織布マスク5,000万枚を送付する。その後、10月から半年間は、毎月3,000万枚の不織布マスクを送る予定だとしている。「介護施設など」は、介護施設、障害者施設、保育所、保護施設、幼稚園、認定子ども園などが該当する。人口比での配分となる。

一般マスクの配布事業は、厚労省の老健局・高齢者支援課が行っている。一方、アベノマスク事業は、厚労省の医政局経済課・マスク等物資対策班(マスク班)が進めているが、老健局が介護施設などへ配布する一般マスクの配布予定数を把握していなかった。

↓2020年度・厚労省の補正予算の参考資料より/一般マスク(サージカルマスクと不織布マスク)・262億円/所管は、老健局・高齢者支援課

↓2020年度・厚労省の補正予算の参考資料より/アベノマスク・390億円/所管は、マスク等物資対策班(マスク班)

↓2020年6月12日の厚労省(老健局や子ども家庭局など)が、各都道府県、指定都市、中核市宛に出した事務連絡/衛生・防護用品などの配布について