ごみ処理施設のある伊香立学区自治連合会などに大津市が支出した補助金1.5億円が「違法な迷惑料支出にあたる」として、市民6人が越直美市長に対して公金の返還を求めた行政訴訟の判決が2月12日、大津地裁であり、裁判所は原告側の主張を退け、請求を棄却した。

原告側の代表、加藤英子さんは、ウオッチドッグの取材に対して、「不当な判決。裁判官は、自治連合会の遊びの旅行にまで、不合理、不公正とは言えないと判断をした。経済情勢が悪化している中、1億円以上の巨額な迷惑料を漫然と出し続けていることはおかしい。裁判官の考えが、一般市民とかけ離れている。これらの原資は、市民が汗水流して納めた税金から出ているということを忘れている」と述べた。

加藤英子さんら市民と代理人の折田泰宏弁護士は、「高裁の判断を待ちたい」と、控訴する意向を明らかにした。

✎ウオッチドッグ記者の取材メモ

大津地裁は、原告らの訴えを棄却した。原告側の主張はことごとく退けられ、被告側、つまり大津市側の主張を採用している。判決文は67ページにも及ぶものだが、約3分の2を占める「当裁判所の判断」という部分を読むと、首を傾げざるえない内容ばかりだった。

裁判所は、補助金の使い方を「市長の裁量の範囲」だとして、ほぼ何でもOKという判断をした。税金は適正に使われるべきであり、「公益性に反する」ものはアウトだという原告側の主張は一蹴されてしまった。裁判所の考え方は、少なくとも今どきの市民感覚とはズレている気がする。

今後、ウオッチドッグは、判決文を読み解き、原告の主張を退けた「当裁判所の判断」の妥当性を検討し、わかりやすく報じていく。