大津市自治連合会の70周年記念パーティーが2024年10月26日、琵琶湖ホテルで開催された。関係資料を情報公開請求すると、大津市は座席表の一部を非公開にした。しかし、10年前の60周年記念パーティーに参加した人物らの座席表をすべて公開にしていた。

10年前の「60周年」はすべて公開。ところが、「70周年」は一部の参加者が黒塗り。この不可思議な結果をめぐり、ウオッチドッグが非公開部分の処分取り消しを求め、審査請求をした。つまり、参加者氏名の一部を黒塗りにせず、「60周年」のようにすべて明らかにするよう求めた。

すると、市自治協働課は、一転、判断を覆し、全面的に公開するという決定をした。開示された文書によると、例えば、「松」席で佐藤健司市長らと同席しながら、黒塗りとされた人物は、前大津市自治連合会長(元伊香立学区自治連合会長)の木村重次氏だと判明した。木村氏については、本サイトで何度も取り上げ、問題を追及した。

70周年記念パーティーの松席(開示された資料)

木村氏の氏名と肩書きの一部は当初、黒塗りにされていた。しかし、情報公開条例の規定に照らすと、黒塗りにした合理的理由は見当たらない。

木村氏といえば、伊香立学区自治連合会長だった2015年には、当時の副市長ら市幹部をコンパニオン接待していた事実が明らかになった。ウオッチドッグの前身「大津WEB新報」は情報公開制度で入手した資料を中日新聞にも情報提供をし、大津WEB新報でも取り上げた。2015年当時、伊香立学区自治連合会は、大津市から多額の迷惑料(公金)を毎年受け取る利害関係者であったが、両者は飲食三昧の癒着状態が常態化していた。

ウオッチドッグ記者

こうした不適切な行為を繰り返した人物を、大津市自治連合会は、70周年記念式典パーティーに招待してます。何の反省もないのが呆れますよ。

近隣の草津市自治連合会の例を見ると、いわゆる補助金の不適切な使途が発覚し報道されて、団体が解散していますから。2022年8月、草津市の交付金を使って、草津市自治連が焼肉などの飲食をしていた事実が明るみになりました。発覚後、草津市は、市自治連に返還を求めたとのことです。その後、市自治連は解散しました。これが当たり前の処分。

大津市自治連合会の場合、補助金を使ってとてつもない金額の飲食を繰り返していても、大津市政と癒着しているので、何のおとがめを受けることはないです。それどころか、どんなことがあっても、市自治連合会長に居座り続けると、もれなく「市政功労者」として表彰されて、琵琶湖ホテルでの式典・祝賀会に参加できるという「特典」(※実績がなくても、表彰されるのが好きな会長らにとって)がついてくるという仕組みになっています。大津市民は、「市政功労者」の選出が、このようにデタラメだということを知りませんからね。

ウオッチドッグの前身「大津WEB新報」の過去記事

↓2017年3月23日 大津WEB新報の記事

現総務部長もコンパニオン接待/大津市が24万円負担/伊香立自治連と計40人/地区環境整備事業№60

大津市の伊藤康行副市長らが伊香立学区自治連合会からコンパニオン接待を受けていた問題で、会場となった琵琶湖グランドホテルにおける飲食費、40人分計24万円を大津市が負担していたことが、情報公開請求の資料で明らかになった。費目は食料費。この懇親会は大津市主催だが、伊香立自治連がコンパニオン代を支払っている。大津市の出席者の中には、コンプライアンス推進課を束ねる総務部の上野隆平部長も含まれていた。上野氏は当時、環境部の部長を務め、自治会への迷惑料を決める委員会の責任者の1人でもあった。

現総務部長や環境部長もコンパニオン接待

問題となっている懇親会は、2015年3月27日の伊香立学区の環境整備委員会。会議の後、琵琶湖グランドホテルでの懇親会に移行している。出席した市職員の説明によると、会議は地元主催で、それに続く懇親会は大津市の主催という。コンパニオンは伊香立自治連が呼び、約4万円を支払っている。

2次会はスナックで

出席者は、伊香立学区の環境整備委員30人と、大津市側10人の計40人。大津市からの出席者は、伊藤康行副市長、上野隆平環境部長(現総務部長)、増田伊知郎企画監(現環境部長)らと、施設整備課の職員だった。2次会のスナックには、伊藤康行副市長ら市職員9人と、伊香立学区自治連のメンバーが参加している。

回数が多くて覚えていない

大津市は、琵琶湖ホテルでの大津市自治連合会との公金飲食を、毎年、繰り返してきた。それだけでなく、伊香立学区自治連合会との懇親会費も、市民の税金を使った公金から支出していた。大津WEB新報が、担当職員に懇親会について問い合わせると、年何度も行われているので、いつのことを指しているのかすぐには答えられないとした。回数が多すぎて覚えていないという。

「懇親会廃止」を通達した総務部長が出席

2016年秋に、メディア各社の報道、そして、市民からの批判の声を受け、上野総務部長は「自治会との飲食を伴う懇親会」を廃止にすると、各部へ通達を送った。しかし、懇親会廃止を厳命した総務部長が、コンパニオン接待を受けた会の当事者として出席していたことに、市民の批判がますます高まりそうだ。

 

黒塗りされた人物の経歴はコレ

木村重次氏(2019年~2022年まで大津市自治連合会長)
2014年度から2022年度まで、伊香立学区自治連合会長。大津市自治連合会では2016年度、事務局長、2017年度から2018年度まで、副会長を務めた。木村氏が自治連会長だった伊香立学区自治連合会が、市議会議員、支所長などと一緒に、市が支出した補助金で飲食や旅行をしていた事実が発覚し、2016年当時、大津WEB新報で何度も記事にして取り上げた。