大津市は、情報公開請求を受けて、市民センター統廃合に関する庁内協議の議事録を、越直美市長の発言の一部を黒塗りにして非公開にした。同じ文書は以前、越市長の発言は全て公開されていた。このことを請求者(市議)から指摘されたため、市は全部公開に切り替えた。市民センター改革推進室の担当者は、黒塗りにした理由について「過去の発言によって、違った形で捉えられ、審議が影響されてしまう恐れがあったから」と釈明している。

対象の文書は、市民センター統廃合をめぐり、2014年12月3日に、越市長や市民部長らが、市長室で1時間行った「二役協議」の議事録。全14ページに出席者のやりとりが記録されている。

このうち、越市長や市民部長の発言が部分的に黒塗りにされた。例えば、市民センターへの職員の配置について、越市長が「基幹支所でも正規職員3人を追加するのは厳しい。正規職員を0人にするくらい検討してほしい」と発言した部分が、黒く塗りつぶされていた。

今回、情報公開請求していたのは、林まり市議(共産党)。7月26日に請求すると、原則15日以内に決定されるものが延長され、8月30日になって、越市長の発言などが黒塗りされ、部分公開されたという。その後、不服審査請求の準備をしていたところ、市長の発言が全部公開されていたことを知り、市に抗議して、黒塗りされていない形の文書を入手したという。

林市議は取材に対し、「私より前に3人の市民が、同じ内容を情報公開請求していた。私で4人目。3人には公開して、私にだけ黒塗りにして非公開にした。非公開にした部分で、隠したかった市長の発言がわかる」と話している。

林市議より以前に同じ文書を情報公開請求した3人の市民のうち、1人はウオッチドッグ記者だった。林市議は「市民から『この文書は大津WEB新報に出ていた。公開されているはずだ』という情報をもらい、確認したところ、掲載されていた。しかし、私の手元にある文書は黒塗り。おかしいと気づき、調査した」と説明している。

ウオッチドッグ記者は、2017年1月12日に「『今後の市民センターのあり方検討』に関する資料の一切(協議録や経緯に関するものを含む)」を情報公開請求していた。2月27日に結果の通知書が発行され、公開されたものの中に、庁内協議の議事録が含まれていた。議事録で黒塗りにされた部分はなく、越市長や市民部長などの発言が記載されていた。

(※10月25日18時に修正:対象の文書は、12月3日分だけでなく、10月28日分も含め15枚だった)