大津市の「広報おおつ」(2021年12月15日号)に掲載されている「市政功労者」の中に、地元自治会員へ「ボケ!」「気安くしゃべるな」などと暴言を浴びせた学区自治連合会長の名前があった。
“暴言”自治連会長であっても、会長職に8年間就いていたというだけで、市自治協働課の内部規定により、市政功労者として奉られることがわかった。市政功労者を表彰する部局は、政策調整部の秘書課。各部局からの推薦を経て、佐藤健司市長が「市長決裁」する。果たして、自治行政へ貢献し、公益増進に寄与した人物がどこまで吟味され、選出されているのか。大津市の市政功労者の選出方法は、他都市の選出方法と比較しても、極めて不透明だ。
市政功労者には、表彰状及び記念品が贈られ、市の式典に招待されるなど、今後も相当な待遇を受けることになる。
「あんなこと、こんなこと、あったでしょう〜♪」 童謡のフレーズ(冒頭部分)が頭に鳴り響いた。「久しぶりに取材してみるか」。食欲の秋、芸術の秋、数か月間グータラしていたウオッチドッグ記者が動きだした。
いつのことだか、思いだしてごらん〜
あんなこと、こんなこと、あったでしょう〜
【音声付き】「ボケ!」「気安くしゃべるな」/自治連会長が暴言/「総会資料」の配付拒否/大津市役所で、地元自治会員へ/自治会・見聞録№4
佐藤市長が、“暴言”自治連会長を「功績は誠に多大」だとして市政功労者として表彰したが、表彰規定の理由のどの部分に該当するのか。興味深々のウオッチドッグ記者は、担当課の秘書課へ問い合わせた。
「顕著」の意味を調べると、「際立って目につくさま。だれの目にも明らかなほどはっきりあらわれているさま」と書かれてあった。
大津市の説明では、“暴言”会長が、市自治行政上、だれの目にも明らかなほど「功労」がはっきりあらわれているから表彰したということになる。しかし、少なくともウオッチドッグ記者の目にはあらわれていない。そこで、情報公開請求して市自治協働課の推薦文を入手してみた。自治協働課といえば、市民の批判の声そっちのけで、市自治連連合会の“召使い課”として長年従事してきた。連合会長らのための温泉旅行や公金パーティに“ご奉公”してきた歴史ある課だ。
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「功績が顕著」というなら、「その功績が何か、具体的に教えてください」と自治協働課に聞いても、答えが出てこない。市政に貢献した人物として、誰が相応しいかを地域に聞くこともなかったという。大津市ホームページでは、市政功労者について、下記の文面しか掲載していない。
↓市ホームページ/市政功労者について
https://www.city.otsu.lg.jp/soshiki/001/1002/g/otsucity/1388376026358.html
ちなみに、京都市では、審査会を開催し、外部委員(任期2年)が功労者を選出している。外部の目から判断して「功労者」を選んでいる。