大津市の越直美市長は、コミュニティセンター条例案を9月の市議会に提出し可決成立を図ろうとする中、施設内での「飲酒を認める」など新たな資料を市議だけに配付し、説明していたことが7日までにわかった。大津市は市民センター統廃合とそれに代わるコミュニティセンター構想について、6月から7月中旬にかけて全36学区で説明会を開いたが、参加した市民にはこの資料を示しておらず、ホームページにも掲載していない。越市長は、市民にとって重要な判断材料を隠したまま、市議会で条例案の採決が迫るぎりぎりのタイミングで、市議だけには示し、押し切ろうとしていた実態が明らかになった。
問題の資料は、9月17日に大津市議会の公共施設対策特別委員会で、市議らへ配布された。現在の公民館がコミュニティセンターに衣替えすると、「個人的な行事での利用は不可(住民の集会施設としての位置づけ)」という従来の規定が外され、「個人での利用が可能となる」、「地域住民の飲酒を伴う会合をセンター長が認めれば市民センターでの飲酒を許可する」など、具体的な使用許可事例案が挙げられている。
大津市は6月1日から7月17日まで、全36学区で説明会を開き、現在の公民館と新たなコミュニティセンターがどのように異なるのかを示したが、こうした具体的な事例案に関する資料を配布していなかった。市民センター改革推進室のホームページにも、これらの資料は掲載していない。
公民館の運営に課せられていた制約が外されるため、指定管理者が、コンサートなどの興行を頻繁に催し、地域住民から徴収した参加費を収入とすることができる。また、指定管理者が認めれば、地域の団体が「行事のための懇談会」と称し、施設の使用料を徴収せず、大宴会を身内だけで開催することも可能になる。
越市長は、2月1日に公表した実施案が最終的な「案」のように装いながら、実際は、その後に、次から次へと新たな資料を作成し、一部の市議や自治連合会長にだけ見せて、市民に公開していなかったことになる。越市長は、コミュニティセンターの実像を市民に知らせず、条例案の成立を図ろうとしていた。
↓9月17日の市議会の公共施設特別委員会で配布された資料/コミュニュセンターでの使用許可事例(案)/市民センター改革推進室が作成
↓9月17日の公共施設対策特別委員会で配布された資料/公民館のコミュニュセンター化及び自主運営の実施について/8月に作成されたもの/学区説明会の資料に書いてなかったものを抜き出した