滋賀県は、新型コロナウイルス感染に対応する保健所業務の負担を軽減するため、電話相談窓口を一本化した。大津市が所管している大津市保健所だけは、従来通りの態勢になっている。

また、滋賀県は5月3日、ホームページで「新型コロナウイルス感染症 発生状況等一覧表」をPDFデータにして、発信した。5月3日時点の一覧表によると、34人が入院中で、そのうち重度(重症)は2人、中等症は2人、軽症30人。宿泊療養者は10人。入院予定者はゼロ。50人が既に退院している。

県職員の説明によると、重度は人口呼吸器が必要な患者で、中等症は自発呼吸が困難なため、鼻チューブなどが必要な患者、軽症は自発呼吸ができている患者を指す。

↓滋賀県ホームページより。

4月になってから、新型コロナ関連で滋賀県の迅速な対応が続いています。ウオッチドッグ記者は、三日月大造知事ひとりのリーダーの力というより、対策チームの県職員らの危機対応の力を取材で感じました。

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滋賀県職員の対策の早さで、考えられる理由のひとつを推察します。

2011年3月の東日本大震災で、被災地支援として、滋賀県は、福島県へ県職員を1週間交代で、派遣していました。多くの県職員が、大震災後の被災地の現場を目の当たりにしています。

2011年5月上旬(ちょうど9年前)、ウオッチドッグ記者は、現地調査で福島県を訪れ、応援に入っていた県職員らの動きを見ています。福島県庁の一室には、応援として派遣された大勢の都道府県の職員らが机に座って、事務作業をしてました。そこに、滋賀県職員3人が常駐してました。向かいの席には、京都府の職員3人が座ってました。(ウオッチドッグ記者の記憶が正しければ…)

福島県の最大規模の避難所でも、県職員数人が応援に入っていました。派遣された県職員らは、これらの経験を通して、災害時などの緊急時に、人々が何を必要としているのか、何をしなければいけないのかを、肌でつかんだのではないかと感じてます。ある県職員は、「あの時、福島へ行って、人生観が変わったと言っている職員が多い」と話しています。

そういう経緯もあり、今回、ウオッチドッグとしては、新型コロナ関連の情報では、国や市の情報より、危機対応にリアルさがみえる県情報から全体を掴むことにしています。県ホームページは、わかりやすい発信になっています。

滋賀県が発信する情報は、担当している県職員や専門家の意見をよく聞きながら進めているのがわかり、バランスがとれています。

また、4月14日付の毎日新聞は、滋賀県が3月24日に開設した「新型コロナウイルス感染症対策サイト」は、実は、県在住の高校生が作ったと報道していました。滋賀県にも、台湾で情報技術を駆使して最新情報を提供した唐鳳(オードリー・タン)と同じような人物がいたのだと感心しました。自治体には、若い人をどんどん重要な仕事に起用して、若い力と発想で新しい風を起こしてほしいです。

↓2020年4月14日付・毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20200414/k00/00m/040/091000c