滋賀県の三日月大造知事が約30人の幹部職員を伴い、多数の県議会議員と、昨年12月21日に大津プリンスホテルで飲み会を開催していたことが、知事らの行事予定表を情報公開請求してわかった。滋賀県議会基本条例は、「二元代表制の一方を担う機関として、知事との相互の牽制と調和」や「知事等の事務の執行にかかる監視と評価を行うこと」を規定している。しかし、実際は、相互監視のための距離感を保つどころか、慣れ合いの大規模な飲み会を、過去から延々と続く年2回の恒例行事として行っていた。

知事の行事予定表の2018年12月21日には、「全議員・執行部幹部職員等懇談会」と記載されていた。「誰が参加したのか? 何人参加したのか? 目的は何か? 公務なのか?」というウオッチドッグの質問に、県議会事務局の職員は、「公務ではない。プライベートな懇談会。全議員ではなく、参加した議員は半分ぐらいだったと思う。誰が参加したのかわからない。毎年のことなので、主催が知事側なのか、議員側なのかわからない」と説明している。

「わからない」を連発する県議会事務局だが、全県議らの出欠を確認したという。県議や知事のプライベート飲み会なので、議会事務局としては、公務の時間ではない昼休みに確認したと釈明している。「議員らのプライベート飲み会なら、なぜ、議員らが飲み会の段取りをしなかったのか? 議会事務局が段取りをする必要があるのか?」という質問には、答えられなかった。

一方、県幹部ら執行部の出欠を確認したのは、県秘書課の職員。「公務ではない。プライベートな懇談会。毎年、懇談会は、議会が終わった後にある。6月議会か9月議会のどちらかと、12月議会の2回」と、県議会事務局と同じような説明をしている。「議会事務局の職員と、秘書課の職員のどちらが主となり、全体の出欠をまとめ、大津プリンスホテルに連絡したのか?」という質問には、「決まってはいない。議会事務局と協議し、その時、その時で変わる」と話している。

知事と執行部の“プライベートな飲み会”の出欠をまとめた秘書課の職員は、その懇談会には出ていない。議員らとの飲み会に参加したのは、三日月知事や県執行部約30人。“プライベート”な行事とはいえ、組織的で規模が大きい。参加する幹部職員が、部下の職員に対して、出欠確認などの仕事をさせている実態が浮かび上がった。

県庁の変

二元代表制なのに、県知事らと議員らが、プライベートな形で慣れ合い飲み会を慣例化しているのも変だけど、出欠確認や段取りを、飲み会に参加しない議会事務局や秘書課の職員にやらせるのも変。公私混同じゃないの?

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「慣れ合い飲み会」に呆れるウオッチドッグ記者

↓滋賀県知事と副知事の「週間行事予定」
左から 三日月大造知事、西嶋栄治副知事、由布和嘉子副知事

↓滋賀県議会基本条例