大津市の佐藤健司市長が、就任からわずか1カ月後に、市長や特別職の給与引き上げ案を2月議会に提出し、市議会がこの議案を3月27日に可決した。大津市の新型コロナ感染症危機対策本部について、取材で感じたことなど、裏話を交えながら、ウオッチドッグ記者とウオッチキャットの放談が始まった。

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呆れはてることばかり。こんなご時世に、大津市長が、自らの給与を引き上げだって。
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恐るべし政治センスの無さだニャ。
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人事課への取材電話で、市職員に思わず「佐藤さん、まだ就任したばかりじゃん。なんで?」って聞いちゃったよ。1年ごとに、見直すとかなんとか言っていた。
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始まったばかりだニャ。
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市民の目を全く意識していないね。でも、一番性質が悪いのは、大津市議会だと思う。仲間うちの利益しか考えていない議員がたんといる。どんな市長が就任しても、あの市議会の体質なら、傀儡化と慣れ合いが始まる。
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炙り出していかないとニャ。
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1月31日に新型コロナウイルス感染症危機対策本部が立ち上がっていたけど、佐藤市長は「対策本部」について、何も発信していなかった。
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事務局は、危機・防災対策課だったニャ。
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それも、取材しないとわからなかった。大津市ホームページのトップ画面に、「新型コロナウイルス感染症に関連したお知らせ」があって、各課の情報を集めて掲載しているけど、全体の問い合わせ先は書いていない。
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滋賀県と大津市に、マスク備蓄のことを聞いた?
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国の布マスクの動きもあったから、滋賀県内の状況を確認しようと思った。 それと、九州や沖縄地域で、調査報道をしているニュースサイト「ハンター」が、マスク備蓄で、興味深い記事を書いていた。鹿児島県のマスクが、数年で激減していたらしい。行方がはっきりせず、備蓄数を県職員が回答拒否したって。福岡県なんかは、マスク備蓄がなかったらしい。

↓ニュースサイト「ハンター」
新事実発覚!鹿児島県備蓄マスクは120万枚だった
’17年には41万8千枚 現状については回答拒否
http://hunter-investigate.jp/news/2020/03/-27hunter200921120201729418000-009-09-1721.html

↓ニュースサイト「ハンター」
マスク備蓄なし 新型コロナ対応でバレた福岡県の怠慢
http://hunter-investigate.jp/news/2020/03/post-1414.html

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ハンターの記事では、「鹿児島県は回答拒否だが、他県は、マスクの備蓄状況をスラスラ答える」と書いていたニャ。それで、滋賀県と大津市は、どうだったの?
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それが、滋賀県も大津市もスラスラ答えられなかった。「うちもかい」と思った。ハンターの記者は、記事の中で嘆いていたけど。それでも、鹿児島県は医療機関や介護施設などに、10万枚も提供していたよ。 滋賀県は、こう言ったらなんだけど、高齢者施設へ7,000枚のみ。不足数は12万枚なのに、提供は7,000枚ってどういうこと?と思った。医療機関への提供数は、県ホームページのどこにも書いていない。

・マスクの備蓄状況を隠蔽する組織が、県民の「安心・安全」を守っていると言えるのか?
・過去に120万枚ものマスクを備蓄しながら、人命を守るために懸命に戦っている医療機関や介護施設に、たった10万枚のマスクしか配布できない三反園県政が県民の安心・安全を守っていると言えるのか?
・税金で購入したマスクの備蓄状況が、すぐに答えられない鹿児島県が、県民の安心・安全を守っていると言えるのか?

2020年3月23日付・ニュースサイト「ハンター」より
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滋賀県庁で、いくらマスク備蓄を持っているのか、県健康福祉政策課へ総数を尋ねても、「わからない」って言っていた。こんな状態さ。

↓滋賀県ホームページ/滋賀県が備蓄するマスクを県内高齢者施設等へ提供します
https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/e-shinbun/oshirase/310569.html

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大津市は?
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大津市のマスク備蓄のことは、危機・防災対策課が知っているだろうと思って電話した。 でも、最初に、問い合わせしたとき、新型コロナ関連のデータが危機・防災対策課の手元になかった。対応した職員は、「感染症のことなので、保健所に聞いて」と言っていた。
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今、保健所は、こんな状態だから忙しいニャ
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軍隊だったら、最前線の兵士に聞けと言っているようなもんでしょ。最前線の情報を集めて、兵站の役割を担うのは、対策本部の事務局だろうに。最前線の真っただ中の職員に、時間をとらせるわけにはいかない。
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兵站の役割がしっかりされないと、戦には負けるニャ。
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お殿様の佐藤市長は、沈黙を貫いて戦場に出てこないしね。殿が出て来ないんだから、士気は緩みっぱなし。
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広報課にも取材したんだよね?
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最初の電話で、危機・防災対策課の職員が、「当課は、土砂災害の対応している。感染症については詳しくないから…ウンネン」と言っていた。それなら、各課の情報データを集めてまとめているのは、広報課かなと思って電話した。市ホームページを取りまとめているし。
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新型の感染症対策は、拡大してからでは遅いニャ。先手先手の対策がいるニャ。広報課は、 どうだったの?。
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広報課は、マスク備蓄のことも、配布先のことも、「知らない」と言っていた。市内の医療機関のマスクが足りているのかどうかもわかっていなかった。その電話で、対策本部が立ち上がっていることや、危機・防災対策課が担当していると聞いた。広報課は、発足からこれまで、 対策本部会議が何回、開かれているかさえ知らなかった。
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市長の発表報道のお膳立て課が、対策本部会議の状況を知らなかったの? 驚きだニャ。
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結局、また、危機・防災対策課に電話して、対策本部が1月31日に発足したこと、3月5日に対策本部会議を1度しか開催していないこと、事務局は、危機・防災対策課がやっていることを知った。そこで聞いた情報を、後で、広報課に伝えてあげたさ。感謝されたよ(笑)。1月31日に対策本部を発足したけど、市長の公務日程にそのことは書いてなかった。
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大津市政って独特だニャ。
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だいたい、1月31日に新型コロナ感染症の対策本部を立ち上げているのに、一方で、半月後の2月14日の議会運営委員会(委員長は、自民党の竹内照夫市議)で、「3月27日の本会議終了後に市と議会の懇親会をプリンスホテルで開きます」なんていう「お知らせ」を出す?
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真っ当な政治感覚を持っているなら出さないニャ。
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その1週間後の2月21日になると、今度は、佐藤市長が、自分や副市長らの給与アップの議案を議会へ提出しているんだから、市も議会も、どうかしていると思った。
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感染症の対策本部を1月31日に発足した時点で、慣例行事であっても、本会議終了後の懇親会は、中止するニャ。経済的な不安感が蔓延しているこの時期に、市長給与の引き上げ議案は出さないし、通さないニャ。
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結局、県内の感染者が出た後に、市と議会の慣れ合い懇親会は中止となったようだけど、市長ら特別職の給与引き上げ議案は、そのまま可決。
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新型コロナ騒動に紛れたどさくさ感があるニャ。
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ウオッチドッグ記者の出身県、山形県は、3月30日時点で、新型コロナ感染者数がゼロなんだけど、山形市(県庁所在地)の市長が、記者会見で、対策本部の立ち上げについて言及していた。

↓2020年2月20日/山形市長の定例記者会見
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/shicho/kishakaiken/20200220.html

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山形市も、同じ名前の「佐藤市長」だニャ。
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山形県は、「佐藤」の苗字が多いの。山形市の佐藤市長は、2月は2回、3月は1回の記者会見を開いていた。
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ほんとだ。大津市は、「予算レク」は定例記者会見でないからホームページに掲載しないと言っていたけど、山形市では定例記者会見として公開しているニャ。
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山形市は、大津市より10万人少ない、25万人の人口だけど、記者会見の動画配信もしていた。記者会見では、広報課長が会見を仕切っていた。
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やろうと思えば出来るニャ。こうして他の自治体と比較すると、大津市政って、情報発信を含め、いろんな面で特殊すぎるニャ。
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最近、大津市政に慣れ過ぎて麻痺していた。大津市は「対策本部を、一応立ちあげました」だけの感覚だったんじゃないの。
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一旦、感染症の対策本部を立ち上げたのなら、いろんな情報を集め、専門とする職員を任命して、先手先手の対応策を打ち出し、市民の不安を取り除くことが大事だニャ。この問題は、感染症だけでなく、経済問題も抱えている。 各課任せの縦割りでは、機動性も伝達力もないニャ。
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ありとあらゆるパターンを想定して、対策を十分とったら、あとは、政治家はどっしり構えたほうがよいんじゃないのと思った。
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政治家が、右往左往して、バタバタしていると、「この面々、大丈夫かなあ」と市民の不安感につながるニャ。
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右往左往してもやろうとしているなら、まだマシかも。給与だけあげて、何をしているかわからない沈黙市長よりも。

参照記事:他自治体・首長らの報酬カットについて

◆大阪市の場合
↓大阪市ホームページ(2019年7月1日時点)市長給与カット率40%
https://www.city.osaka.lg.jp/jinji/page/0000134935.html

◆北海道知事の場合
↓2019年6月5日付・NHK政治マガジン/知事給与カット率30%
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/18429.html

◆東京都の場合
↓2018年6月5日の報道発表資料・東京都ホームページ/知事給与カット率50%
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/06/05/06_08.html