2021年度の琵琶湖市民清掃で、実施主体の「琵琶湖を美しくする運動実践本部」(以下、実践本部)の元本部長が会長を務める瀬田学区自治連合会が、「土砂は収集しない」という実践本部の「注意事項」を守っていなかったことが、情報公開請求の開示文書でわかった。実践本部は、市民清掃で収集するのは「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」の2種類だけで、土砂、泥、石類などは収集しないことを「注意事項」としてチラシに記載し、配布していた。

このうち「土砂」は、一般廃棄物には該当しないため、市へ提出する美化活動のごみ収集依頼書の様式に「土砂の収集は行わない」と記載されている。

しかし、情報公開請求で開示された実績報告書によると、実践本部の元本部長(2014〜15年度)だった内田一豊氏が会長を務める瀬田学区自治連合会は、2021年度の市民清掃で、土砂を310袋集めていた。さらに、土砂を入れる土嚢袋を700枚(26,740円分)購入していた。実践本部のチラシに記載された「注意事項」を、瀬田学区自治連合会は全く守っていなかった。

他学区の実績報告書を精査すると、過去には土砂を収集していた和邇学区や上田上学区などは、2021年度は土砂を収集していなかった。

瀬田学区自治連合会には、2021年度に使用しなかった土嚢袋が約400枚ほど残っていることになるが、今年度の市民清掃で再び、土嚢袋を購入したのかどうか。また、土砂を収集運搬していたのかどうか。これらは、今後の調査で明らかになる。

2021年度・琵琶湖を美しくする運動実践本部の配布チラシ
2021年度の「琵琶湖を美しくする運動実践本部」が各学区自治連合会に配布した「実績報告書」の様式(土砂の項目は斜線/)
美化活動等のごみ収集の時、大津市へ提出する「ごみ収集依頼書」/土砂の収集は行いませんと記載
2021年度・琵琶湖市民清掃/瀬田学区自治連合会のごみ収集の実績報告書
2021年度・琵琶湖市民清掃/上田上学区自治連合会と和邇学区自治連合会のごみ収集実績報告書
2021年度・琵琶湖市民清掃/瀬田学区自治連合会の助成金実績報告書

土砂は「市で収集できない」と知りながら、瀬田学区自治連合会では、なぜか、事前に土嚢袋を700枚ほど購入している。