「補助金ビジネス」は、2016年度の大津市自治連合会の会長自ら口にしたことだ。当時の取材記録を元に振り返ってみよう。
2016年11月13日、大津市役所で行われた「大津市総合計画のまちづくりフォーラム」に当時の大津市自治連合会長であり、長等学区自治連合会長の清水耕二氏が登壇者として参加していた。フォーラム終了後、ウオッチドッグ記者が、清水会長に近寄り話し掛けた。琵琶湖市民清掃や大津市自治連合会の定例会で、清水会長が市から受け取った補助金を使い、自社の店で飲み物などを、たびたび購入していることを情報公開請求の開示文書で知り、問いただした。
その際、清水会長は、ウオッチドッグ記者の質問にこう答えた。
「ビジネスだ」と。
ウオッチドッグ記者にとって、この言葉は予想しなかったが、合点がいった。大津市自治連合会の幹部らがやっていることは「補助金ビジネス」ということが。ある意味、正直な清水会長の言葉を聞き、ようやく、大津市自治連合会というものが何か、このとき理解できた。
ちなみに、大津市は、大津市自治連合会へ、運営補助金300万円を「住民福祉の増進と地域社会の発展」のために毎年、支出している。


会長は、リカーランドショップしみずの社長さんですか?

そや、160年続く造り酒屋だ。

それはそれは。会長のお店で、定例会や琵琶湖市民清掃のお茶を購入してますよね? 補助金ですよね?

あれは、あんた。ビジネスや。連合会長という立場と別に、ビジネスということで卸している

ビジネスといっても、現在は大津市自治連合会長ですよね。ご自身は別だと言っても、周りはそう見ませんよ。補助金制度でも特定の個人の利益になるものに出せないですよね?

そんなことを言うなら、大津市に言えばいいだろう。

言ってますよ。会長はあくまでビジネスだというんですよね。今年もけっこう購入してましたが、どこでも購入できるのに、どうしてご自身の店なんですか?
こんなやりとりがあった。それでは、過去に情報公開請求して入手した長等学区自治連合会の「補助金ビジネス」の実績報告書から、一部だけ抜き出して紹介しよう。

会長のお店で、誰が食べたかわからない昼食代2万5,000円と、誰が飲んだかわからない缶コーヒー代3,000円也。


会長のお店で、誰が飲んだかわからない飲食費7,200円と、何に使ったかわからない3万9,900円也。


会長が経営する酒屋が、業者(建設会社、設備会社や畳店)らに混じってごみの収集運搬の謝礼を受け取った5,000円也。収集の状況を写した写真添付は一切なし。



2012年と2013年は、清水会長は大津市自治連合会の副会長で、「琵琶湖を美しくする運動実践本部」の幹事。幹事が杜撰な領収証を出しているようでは、どんな団体か想像つく。


2016年度の「琵琶湖を美しくする運動実践本部」の本部長で、長等学区自治連合会長の清水会長が受け取った、自分から自分宛の運搬謝礼5,000円也。自社の店から購入したペットボトルのお茶代は7万200円也。





補助金で会議の飲み物代を購入/交付申請の会長の店から/大津市自治連合会/ウオッチ大津№12
“重鎮”3人が相談役に就任/役員名簿には不記載/2019年度の大津市自治連合会/ウオッチ大津№143

そして、昨年。清水会長の店で補助金から購入したお茶代は6万7,200円也。以前は貼っていた収入印紙200円を貼っていない。最初の開示文書から12年目。まだまだ補助金ビジネスは続く。

