元農水相の岩永峯一氏が理事長を務める一般財団法人「滋賀県青年会館」へ、滋賀県が県有地を無償で提供していた問題で、宿泊施設の増築工事費や改修工事にも、県が補助金2億4千万円を支出していたことが、情報公開請求の開示資料でわかった。滋賀県は県有地を無償で使わせているが、滋賀県青年会館は、一般客相手のホテルを40年間営業している。「不公平にあたる」と、監査委員から疑問の声が出ていた。

滋賀県青年会館は1967年に建設された。翌年、財団法人滋賀県青年会館の設立の登記が完了。開示された文書では、法人の初代理事長名が黒塗りだったが、登記簿を確認すると岩永峯一氏となっていた。

1977年3月、会館の増築工事費として、県の補助金8000万円が、岩永氏の財団に支出されている。さらに、1995年2月の県議会で、改修工事の予算1億6千万円の補助金も、岩永氏の財団へ支出された。合計2億4千万円の建設費用が県から補助された。

県は県有地の年間使用料約1千万円を免除。滋賀県市民オンブズマンの試算によると、「40年分の損害額は少なく見積もって4億円にもなる」と監査請求書で主張していた。しかし、4億円は県有地の使用料の試算で、青年会館の建設に関する補助金2憶4000万円は含まれていない。

岩永氏は1975年から1995年まで県議を務め、1990年から1991年まで、県議会議長も務めた。その後、国政へ転出、1996年から2009年まで衆院議員(自民党)。2005年8月に農水相に就任したが、在任期間は82日だった。

↓参照:図解

↓滋賀県青年会館の設立と沿革