2016年度の琵琶湖市民清掃では、約100㌧の泥を処分場に搬入した記録も残されている。草木やペットボトルなど、全てのごみ量は約375㌧で、3割超を占めている。大津市は「側溝の泥」だと説明しているが、市民の生活圏になぜ大量の泥があるのか、なぜ地域で処理さないまま処分場に持ち込まれたのか、などの疑問には答えられていない。

2016年度の琵琶湖市民清掃の泥処分について、南部地域では、家庭ごみ4業者が、処分場手前の仮置き場まで収集・運搬しているが、計量はしていない。4業者が泥の入った土嚢袋をおろした後、市の廃棄物減量推進課との間で別途、契約した「大津市再生資源回収事業協同組会」が、市民清掃終了の翌日以降、仮置き場に集めた泥を土嚢袋から取り出す作業をして、車で約5分の距離にある処分場までを、運搬・搬入していた。仮置き場で集められた泥は、処分場に搬入し、処分費用が減免されていた記録が見つかっている。南部では、約45㌧の泥を処分したとしている。

一方、北部地区は3回に分けて、直接、北部廃棄物最終処分場まで搬入し、約59㌧の泥を処分したとしている。記録では、南部と北部を合わせて、約100㌧の泥を処分場に搬入したことになっている。

草木ごみを含めた琵琶湖市民清掃のごみ収集量は、2016年度で375㌧。琵琶湖市民清掃は、約3割のごみ量が泥ごみということになる。これらの泥は、市民清掃のごみということで、美化条例に基づき、処分費用がかからず、無料で処分されている。

琵琶湖市民清掃は、「琵琶湖」の名称がつくが、実態は自宅周辺の道路や公園など生活圏の地域清掃。実施主体の「琵琶湖を美しくする運動実践本部」の事務局を担う大津市環境政策課は、過去のウオッチドッグ記者の質問に、琵琶湖市民清掃の泥は「側溝の泥」という説明をしていた。

地域清掃の約1時間で、側溝の泥が100㌧も集められたとは考えにくいが、環境政策課は「市民が集めた泥」という説明に終始していた。

↓廃棄物減量推進課の開示資料/2016年琵琶湖市民清掃の委託業務完了報告書/泥(土砂)搬入記録(南部と北部)

↓2016年の南部(太田廃棄物最終処分場)の搬入泥は、45t

↓北部廃棄物最終処分場の泥処分量/3回分計59t
↓2017年度琵琶湖市民清掃実施結果/2016年のごみ収集量は、約375t