琵琶湖市民清掃で大量の土砂・泥が収集・運搬されている問題で、主催する任意団体「琵琶湖を美しくする運動実践本部」が今年度、自治会用のお知らせ(回覧チラシ)で、3分別の1つに「土砂」を格上げし、土のう袋に入れたものは収集・運搬の対象だと、市民に案内していたことが分かった。

大津市が業者との間で締結した業務委託契約では今年度から、収集・運搬の対象に土砂を含む内容に変更されたことが既に明らかになっている。行政と主催団体が一体となって、積極的に土砂や泥を受け入れようとする姿勢が鮮明になっている。2016年度の記録では、処理場に運び込まれた土砂や泥の量は約100㌧に達し、ごみ全体の約3割を占めている。

自治会の回覧用に実践本部が作成した2013年度のお知らせでは、ごみを「草・木の枝」「びん」など6つに分別するよう呼び掛けているが、その中に土砂・泥は含まれていない。土砂・泥については、「地域の植え込みや道のくぼみなどに埋めるなど、できるだけ地域で処理しましょう」とした後、「搬入される場合は土のう袋に入れてください」と指示している。

2018年度のお知らせでは、「土砂」を「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」に並べ、3分類の1つに位置づけ直した。「土砂」は、「土のう袋に入れる」よう指示。そこに「地域で処理ができない、やむをえないもの」という文言を添えている。

ウオッチドッグの前身である大津WEB新報は2015年、琵琶湖市民清掃を取材し、太田廃棄物最終処分場近くの仮置き場で、無許可業者らが大量の土砂を積み下ろしていると報道した。実践本部は翌2016年、土砂をごみ分別の対象として初めて明示した。

2018年度の「琵琶湖を美しくする運動実践本部」の本部長と副本部長は、下記の通り。
◆本部長◆
大津市自治連合会長の谷正男氏が本部長。(市民センター統廃合問題では、谷氏が学区ごとの署名をうけとらないようにと越市長へ要請をしたことが、各社で報道された)

◆副本部長◆
滋賀県議会議員の佐野高典氏。
佐野県議は、「琵琶湖主義」を掲げているようだが、「琵琶湖を美しくする運動実践本部」の副本部長に就任していることには触れていない。また、実践本部の活動も紹介していない。

↓2013年の琵琶湖市民清掃のお知らせ/自治会の回覧用/土砂は分別に含まれていない

↓2018年の琵琶湖市民清掃のお知らせ/自治会の回覧用/新たに土砂を分別に加えている