琵琶湖市民清掃の随意契約金と補助金が違法な支出にあたるとして、加藤英子さんら市民が大津市に返還を求めた第3回の口頭弁論が3月1日、大津地裁であった。

原告側は、裁判所に「文書送付嘱託申立書」を提出した。「本件随意契約の手続きについて大津市契約規則を遵守しておらず、また、免許のない業者との契約であること」、「随意契約の委託料が適正でないこと」を証明するために不可欠な資料であるとし、被告側の大津市に、6件の文書の提出を求めた。被告側は「出せるものは出す」としている。原告側は、被告側の反論が出てから、正確に立証する準備をすると主張している。

次回は4月19日(木)午後1時10分から。

       ~琵琶湖市民清掃の裁判についての経緯~

加藤英子さんら市民が、琵琶湖市民清掃の収集・運搬費として、大津市が4業者へ随意契約金として支払った約1,994万円は、一般競争入札を義務付けている地方自治法に違反するとして、越直美市長と伊藤康行副市長(2015年当時)に対して、不法行為の責任として、損害賠償請求を求めた。

原告代表で「しが自治会オンブズパーソン元代表」の加藤英子さん

1999年に、持ち回りで自治会の役員になり、自治連合会の会計に疑問を抱く。しが自治会オンブズパーソンを設立し、大津市から自治会へ支出されている約1億円の報償金は違法であると裁判を起こした。その後、大津市と自治連合会がホテルで繰り返す公金飲食の食糧費問題や、迷惑料問題など、訴訟を提起。当時の山田豊三郎市長は、次々と明らかになる大津市の不適切な事務処理に対して、「反省する。改善する」と市民らに約束をした。しかし、現在も変わらず、同じ状態だったことを知り、2016年に1.5億円の地区環境整備事業補助金(迷惑料)、2017年に琵琶湖市民清掃の2千万円の随意契約の違法な支出の訴訟を起こした。

原告側代理人の折田泰宏弁護士

京都・市民・オンブズパースン委員会の代表。
京都のけやき法律事務所で、一般民事事件とともに、中小企業再生・倒産事件、行政訴訟事件、マンション管理問題、欠陥住宅問題等を多く扱っている。
滋賀県内の裁判では、2000年から2003年に加藤英子さんが次々と提起した大津市と自治会関係の裁判の代理人を務める。
もっと遡ると、1976年の「琵琶湖総合開発工事差し止め訴訟」の原告側弁護団の団長を務めた。終結まで13年のロングラン裁判であった。原告側のこの訴訟が、琵琶湖の環境保全に大きく寄与したということは、内外に評価されている。