琵琶湖市民清掃の随意契約金が違法な支出にあたるとして、加藤英子さんら市民が大津市に返還を求めた第14回口頭弁論が9月26日10時半、大津地裁で開かれた。原告側は、大津市の課長らの証言内容が虚偽であるとする弾劾証拠を裁判所へ提出した。

裁判長は「原告側が提出した準備書面が届いたばかりで、裁判所としても精査できていない。本日が結審予定であったが、もう1日ほど延ばしたほうがよい」として、10月24日(木)午後4時に結審となった。

原告側が「書面がギリギリだったのは、原告側代表の加藤英子さんが亡くなったため(9月23日)」と説明すると、裁判長は「そうした事情は汲みたい。加藤英子さんへお悔やみ申し上げます」と、原告側代表へ哀悼の意を表す異例のコメントを発した。

9月23日に加藤英子さんが逝去

【経歴】
1999年に、持ち回りで自治会の役員になり、学区自治連合会の会計に疑問を抱く。しが自治会オンブズパーソンを設立し、大津市から自治会へ支出されている約1億円の報償金は違法であると裁判を起こした。その後、大津市と自治連合会がホテルで繰り返す公金飲食の食糧費問題や、迷惑料問題な問題をめぐって、訴訟を提起。当時の山田豊三郎市長は、次々と明らかになる大津市の不適切な事務処理に対して、「反省する。改善する」と市民らに約束をした。しかし、現在も変わらず、同じ状態だったことを知り、2016年に1.5億円の地区環境整備事業補助金(迷惑料)、2017年に琵琶湖市民清掃の2千万円の随意契約について、大津市の支出は違法だとする訴訟を起こした。

回想

いつも、ど派手な衣装に身を包み、色付きサングラスをかけ、颯爽と大津地方裁判所へ現れた加藤英子さん。裁判長の顔がよく見える一番前の席に陣取り、キッと前を睨みつけながら座っていた。裁判長にも馴染みの顔だったのだろう。

「間違っていることは、誰かが間違っていると言わんといかん」「絶対に負けん」が口癖。自分の信念を最期まで貫いた。

加藤英子さんは、亡くなる直前まで歩き、話し、自らの主張を訴え、そして、過去に関わった大勢の記者たちに囲まれて、あの世へ旅立った。86歳の大往生だった。生きている時もその個性は強烈で、死に際も強烈だった。

加藤英子さんのご冥福をお祈りいたします。

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ウオッチドッグ編集部