大津市の越直美市長は、市議会へ提出した「コミュニティセンター条例(案)」を撤回し、修正した上で再提出するとしていたが、102日になって再び方針を転換し、今会議での提出を見送ったことが、関係者らへの取材でわかった。市長が提出した条例案を自ら取り下げたのは極めて異例。条例案提出が拙速だったという批判は避けられない。市議会の中には、越市長が議会を軽視しているとの批判が上がっている。3日の本会議では市議2人が急きょ質問に立ち、越市長に説明を求める。

越市長が自ら提出した条例案を取り下げ、修正してすぐに再提出すると言いながら、やっぱり止めた。ふらつく越市長の言動に、市議会は右往左往している。

3日に予定されていた本会議での修正案に対する質疑はなくなり、2日午後3時から急きょ、議会運営委員会が開催された。その中で、杉浦智子市議(共産党)と谷祐治市議(清正会)が、越市長に対し一連の経緯の説明を求める緊急質問を行うことが認められた。3日午後1時からの本会議では、最初に越市長が経緯を説明した後、杉浦市議と谷市議が緊急質問に立つ予定という。

この日の議会運営委員会では、越市長の政治姿勢に対して批判の声が相次いで出た。市長側は「修正案の提出を見送ったのは、大津市自治連合会から『地域に説明する時間がほしい。修正案の提出を見送ってほしい』という申し出があったため」と市議らへ説明したという。

ウオッチドッグの取材では、101日に大津市自治連合会の定例会があり、その席で、市民センター改革推進室の職員から、コミュニティセンター条例(案)の「修正案」が示され、説明があったという。一部の学区自治連合会長からは「撤回してすぐ再提出するというのはいかがなものか。見送ってほしい」という意見が出た。しかし、組織全体として意見を集約し、市へ修正案の見送りを要望するという話にはならなかったという。

一方、現場の支所には、コミュニティセンター条例案の「撤回」については、自治協働課から連絡があったというが、修正案の内容や、2日に修正案提出を見送った情報は伝えられていない。