大津市の越直美市長は、9月市議会で二転三転させた挙げ句に取り下げたコミュニュティセンター条例案を、11月12日からの特別会議に再提出することが取材でわかった。10月29日に越市長が、大津市自治連合会長と会い、条例案提出を認めてもらったからだという。越市長は9月議会で、コミセン条例案を提出したものの、反対の声が強かったため、取り下げた。直後に再び、修正案を提出しようとしたが、表向きは市自治連の反対で、結局見送った経緯がある。

市議会は11月12日に特別会議を開催し、そこで越市長からコミセン条例案が再提出され、13日に採決する予定という。特別会議では、5人の市議が越市長へ質問する。広報課によると、採決されても、記者会見が開かれる予定はないという。

この特別会議では、伴孝昭(親和会)、出町明美(協生会)、杉浦智子(共産党)、草野聖地(湖誠会)、谷祐治(清正会)の各市議が質問に立つ。

越市長は、10月2日の市議会や記者会見などで、条例案提出を見送った理由を、「大津市自治連合会から、地域に説明する時間を設けてほしいと言われたから」と説明していたが、それからわずか1カ月後に再提出することになった。担当課は、「10月29日に、越市長と大津市自治連合会長(伊香立学区自治連合会長)の木村重次氏が協議し、コミセン条例案を提出してもよいという話になったから」としている。

市自治連幹部は10月1日に、「地域に説明する時間が必要だ」と、越市長へ条例案提出の見送りを要望しておきながら、4週間後に、「コミセン条例案を提出してもよい」という、真反対の判断をしたことになる。各自治連が、地域に詳細な説明をしたのかどうか、今後、地域での検証が必要となる。

ちなみに、ウオッチドッグ記者の地元では、何の説明も、回覧もなかった。

↓参考:2019年度・大津市自治連合会役員名簿

ウオッチドッグの取材で判明したことは、以下の通り。

10月28日(月) 市自治連の会長ら、恒例の温泉旅行へ
大津市自治連合会の会長らが、秋の恒例となる温泉旅行(視察旅行)へ出発するため大津市役所へ集合。この旅行費用の大半は、市補助金から支出されている。
出発前に、市役所の会議室に自治連会長らが集まり、越市長から、提出予定のコミセン条例案の説明を受けた。内容としては、10月1日に説明したものと同じだが、今回は越市長自ら、自治連会長らへ説明した。
市自治連の会長らは、市長の説明を聞いた後に、温泉旅行(視察旅行)へ出発した。行き先は、兵庫県姫路市。姫路市自治連合会を視察した後、宝塚温泉の「ホテル若水」で1泊した。2017年度までは市の職員が付き合って宿泊していたが、2018年度からは日帰りしているという。

10月29日(火) 越市長が市自治連会長にお伺い
市自治連の一行は、芦屋市涼風町自治会を視察した後、大津市役所へ戻った。市自治連会長が温泉旅行から帰って来るのを待っていた越市長と市民部長が、3者でコミセン条例案について協議した。その協議の場で、市自治連会長から「コミセン条例案を提出してもよい」という許可が出た。市自治連会長1人の判断なのか、他の35人の自治連会長の合意を得た話なのかは不明。

11月5日(火)
越市長が市議会の議会運営委員会で、「市自治連の理解を得られたため、11月12日の特別会議で、コミセン条例案を再提出したい」という説明をした。

11月11日(月)
広報課がウオッチドッグ記者に対し、「市政記者クラブ主催の定例記者会見は11月7日に行われており、13日のコミセン条例の採決後に、市長が記者会見を開く予定はない」という説明をした。

11月12日(火)
特別会議で、市長がコミセン条例案を再提出する予定。市議5人が質問する予定。

11月13日(水)
特別会議で、コミセン条例案の採決へ。