市民センター統廃合問題で、大津市が2017年11月に提示した「素案」では、将来的に7つの広域支所と3つの地域支所に統廃合するとししていた。しかし、候補として選定された10支所のうち8つまでが、築30年以上経過した、老朽化した公共施設だったことが分かった。大津市は市民センターの統廃合を図る理由の柱として、建物の老朽化を挙げていた。ところが、素案では、実際は最も古い築46年のセンターを含め、全平均の築28年を超える建物が大半を占め、大津市の市民に対する説明に矛盾が生じている。
素案では、和邇、堅田、坂本、平野、膳所、晴嵐、瀬田の7つの各支所が広域支所に、葛川、逢坂、大石の3支所が地域支所の候補として出ていた。
市議会「市政情報」にある市民センターの設置状況の資料によると、7つの広域支所候補のうち、晴嵐が1972年(昭和47年)に建設され、築46年で全36支所の中でも最も古い。これに続いて、堅田(築38年)、瀬田(築36年)、坂本(築34年)、和邇(築30年)、膳所支所(同)と、いずれも昭和時代に建てられたもの。3つの地域支所候補では、葛川(築35年)、逢坂(築34年)。これらに対して、候補に上がった10支所のうち、広域支所の平野と、地域支所の大石は、いずれも築1年未満と極端に新しい。
全36支所の平均築年数は、28・6年。約3分の2に当たる、22支所が築30年以上経過している。築3〜26年のものは12支所あるが、素案では全く選ばれていない。
大津市公共施設マネジメント基本方針(概要版)では、①今後、公共施設の老朽化が急速に進む、②建物の大規模更新、修繕にかかる費用が増大し、大きな将来負担となる、と公共施設の老朽化を課題としていた。今年夏の意見交換会の配布資料では、「公共施設の老朽化」を2項目を入れていたが、11月18日の意見交換会では、これらが削除されていた。
↓ウオッチドッグ作成/36市民センターの築年数
↓2017年11月に明らかにした「支所集約化素案」
↓市民センターの設置状況
↓11月18日の意見交換会で大津市が削除した「公共施設の老朽化(1)(2)」
↓大津市公共施設マネジメント基本方針(概要版)では、「建物の大型修繕、更新にかかる費用が増大し、大きな将来負担となる」と記載している。