市民センター統廃合問題をめぐって7−8月に開かれた、市民との「意見交換会」で、参加者の懸念が最も強かったのは、住民に対する行政サービスが低下し、不自由を強いられるのではないか、という観点だった。特に、高齢者や障害者、交通弱者はどうすればよいのか、という切実な訴えが続いた。住民の声を市はどう受け止めるのか。議事録から参加者の声を抜粋して掲載する。

●高齢化が進んでいる。85%が支所の利用は年1回程度未満とあるが、私は5年以内に住民票を取ったことがない。しかし、近くの支所では毎日100人以上が来ている。車椅子や杖をつきながら来ているのが現状である。支所をなくすと住民が困る。われわれの声をもっと聞いてほしい。石山支所がなくなるとどこへ行くのか。

●市民センターはもっと必要である。防災も何もかも、住民任せには反対である。店も病院もなくなり、石山団地で高齢者の集まる場所を作っている。その一角に月1回でも手続きできる場所を作ってほしい。

●高齢者が増えることでさらに市民センターを増やさないといけないと思う。今団地から石山市民センターに行くのにタクシーで行く人がほとんど。1つの証明書をもらいに行くのに 2,600 円かかる。晴嵐、瀬田支所に行くことになるとさらにかかる。そんな人たちのための送迎バスなどの交通手段を考えてほしい。人件費削減は本庁でもできる。

●市民センターがなくなるところには巡回相談があり、相談だけでなく、支所機能の手続きもできるのか。

●マイナンバーカードを利用してコンビニで証明書が発行できるとあるが、マイナンバーカード自体問題がある。マイナンバーカードを主婦で作っている人はいないし、浸透していない。個人情報漏洩の問題もある。ネット利用などすべての住民ができない。弱者に冷たい市政だと思う。人口を増やしたいのであれば、大津市が住みやすいとアピールしたいのなら、逆効果だと思う。

●大津市は南北に長い地域であり、きめ細かな行政サービスを行うべきである。それなのになぜ支所の集約をされるのか。拠点支所は駅や幹線道路からの距離を強調されているが、 現在の支所から拠点支所までの交通手段がない。高齢者や身体弱者にとって、福祉などの相談が非常に遅れることになる。

●山間部などの学区では高齢化、過疎化が進んでいる。高齢者にとってはコンビニ、 パソコンで申請するのは大変難しい。住民自治の確立の点からも、より過疎化に拍車をかけるのではないかと懸念する。

●自治会で総会を開いた際に、支所がなくなるという話が持ち上がり、堅田まで行けないという話になった。仰木の里でも高齢化が進んでおり、免許証を返上する人も増えている。地元に支所がなくなることは住民にとって大変なことである。人件費の問題や 支所が他市と比較して多いというだけで無くすのは問題である。高齢者を無視していると受け止められる。支所機能がなくなるのは、住民サービスの低下につながる認識があるのか。はっきりと答えてもらわないと安心できない。

●私は支所がなくなることで住民サービスの低下につながらないかを聞いている。 支所から市民がますます遠のくと思う。

●市民サービスが低下するという認識があるにも関わらず、支所をなくすということは絶対に理解できない。

●新しいサービスとは何か。支所をなくし市民サービスを低下させてまで行うものなのか。

●高齢化で車に乗れないと、支所がなくなるとますます不便になる。市長はどう思っているのか。足はどうしたらいいのか。

●支所には相談だけで行くわけではない。支所があることで安心して暮らせる。巡回相談では代替できない。高齢者を粗末にしたこんな冷たい市政はない。そのような考え方は一掃してもらいたい。大津に住んでよかったと思う市政にしてほしい。否定的なことばかりで、なくすというのは誰でもできる。社会保障費が増えていく中で、どうやって住民サービスを低下させないでやっていくかを考えるべきである。

●ずっとコンビニがあるわけではない。支所があることが大津市の最低限の住民サービスであり、それを維持することが市長の責任。支所を充実させることが住民の願いである。仰木の里にはレークピアセンターがあって、郵便局や銀行、支所が揃っていた。支所がなくなることは、その環境が激変することになる。

●住民サービスの低下という認識があってもやっていくというのは、今日ここにいる他の人も同じ考えなのか。違う考えの人はいないのか。

●市民センターもなくなり、学校の統合という話もあるが、足の確保が重要である。足の確保がなされていないと、行政サービスが届かない、ぽつんと残される地域が出て来る。コンビニでは十分な対面相談ができない。デマンドタクシーがあるが、北小松から和邇で往復 3,000 円かかる。これでは代替にならない。市が全部補助して無料バスを出すとお金もかかる。市民が一部負担をして行政サービスを受けるとなるとサービスの低下になることは間違いない。足の確保は非常に大きな問題である。支所も学校もない地域ができることをどう考えているのか。

●市長はお金を削減する方向ばかりで、あまりにも民営化や、コールセンターを設けたり、コールセンターは何回かけてもかからないし、市民サービスになっていない。大津市はきめ細かな行政サービスを提供するため各学区に支所があることが誇りだと思う。他の市と比較する必要はない。大津市長として誇りを持ってもらいたい。

●支所の集約化は交通弱者に不利益を与えることになる。そのことに対して、交通費等の補償を考えているのか。

●堅田支所は駅から遠い。堅田駅西口への施設の移転を検討しているのか。

●現在、仰木の里、仰木の里東では 1 つの市民センターしかない。住宅公団の開 発としては失敗した地域と思っており、空き地ではミニ開発が進んで、まちづくりが難し くなってきていると感じる。バスの本数も減って、仰木から堅田方面への土日のバスはな くなり病院に行けない。バスの問題は市民センターに相談に行っても民間の問題になると 言われた。長寿政策課に相談し、バスを減らす話はどういう理由で決まるのか聞いたが、 いろんな協議会で決められたようだ。

●バスのことなどいろんなことを、堅田のあんしん長寿相談所や市民センターに月 2 回ほど顔を出して情報をもらっている。しかし、堅田にはバスもなく行きにくい。行政相談が 気楽にできる、市民の要請が気楽に出来る制度は位置づけられているのか。仰木の里学区の実情、適正人口をどう考えているのか、行政相談のあり方についてどう考えているのか聞きたい。

●障害者の立場から言いたい。手続きも他の人よりも多い。今は瀬田南市民セン ターが近くにあり、障害者用の駐車場もある。それが 1 か所に集中すると、遠くなり駐車場もすごく狭く、停められないのではないか。40 年後には 10 万人減ると言われたが、それま でのことが心配。高齢者は免許返納で、歩いて行けるところに市民センターがあることは 便利。交通面でバスを検討しているようだが、自分の足でいける市民センターがあることが大事だと思う。1 か所に集中されるのは不安である。