ウオッチドッグは徳島県那珂町木頭地区にある那賀川を2025年7月に取材し、「森と水シリーズ」を発信した。取材を通して感じたのが「日本の森林と水が危ない」ということだった。那賀川は、剣山山脈のジロウギュウに源を発し徳島県内を西から東へと流れている。取材をした木頭地区から県境の四つ足峠を越えると高知県香美市(旧物部村)に行き着く。
そこには白髪山を水源とした一級河川の物部川が流れている。この物部川の上流の山林では、徳島県の那賀川上流と同様な「森林荒廃」が起きているという。物部川の現状を丹念に調査報道を続けているのが、地元でネットニュースを配信している「News Kochi」だ。News kochiは、依光隆明記者(高知新聞、朝日新聞の元記者)が2023年から運営している。大きなメディアからこぼれ落ちた出来事を取材しているという。News Kochiは「よみがえる物部川」というシリーズで、シカによる苗木の食害、ダムの耐用年数、四国山中の深層崩壊など多角的な視点で森林荒廃の現実を次々と報道している。
ウオッチドッグでは、News Kochiの報道もウオッチしながら、日本の山々や川の現状を取り上げていく。
よみがえる物部川⑤シカが通った「焼け野原」
https://newskochi.net/monobegawa-5
高知大名誉教授の依光良三さんは物部川にほど近い香南市野市町に住みながら物部川上流の山々に目を向け続けている。(中略)
物部川の源流に当たる三嶺周辺にシカ(ニホンジカ)が入ってきたのは2005年頃だったとみられている。気づいたらシカは急速に増えていた。ある程度の頭数なら食害につながらないが、それを超えると植生が破壊される。たとえば冬場にシカはササを食べる。夏は食べないからササは夏の間に根を張って伸びる。ところが年中食べ続けると、ササは枯れる。シカが増えすぎると夏もササを食べるしかない。そうなるとササ原は死滅に向かう。樹木の新芽も食べる。依光さんが言う。「稚樹はほとんど食われます。ほとんど百パーセント食われる。森は再生しません

News kochiの「よみがえる物部川」シリーズは2026年1月25日時点で、8本掲載。興味のある読者諸氏はぜひ全文を読んでくださいね。
【参考】高知県・物部川と徳島県・那賀川の位置
物部川は、高知県の白髪山(標高1,770m)にその源を発し、中・上流域にかけて山地に囲まれた峡谷をほぼ南西に流れ、土佐山田町で山地を離れたのち香長平野を南流して土佐湾に注いでいます。高知県においては四万十川、仁淀川に次ぐ流路延長71km、流域面積508km2の第3の河川です。
~国土交通省HPより~

那賀川は、徳島県那賀郡の剣山にその源を発し、徳島、高知両県々界の山脈を東麓に沿って南下し、坂州木頭川、赤松川を合わせ、阿南市上大野において平野に出て紀伊水道に注ぐ、幹川流路延長125km、流域面積874k㎡の徳島県下では吉野川に次いで2番目に大きい河川です。
~国土交通省HPより~
