大津市自治連合会の「70周年記念パーティー」が2024年10月26日、琵琶湖ホテルの瑠璃の間で開催された。会場の座席表を情報公開請求すると、参加者名の一部が黒塗りにされた。ウオッチドッグ記者がその後、不服を申し立て、審査請求をすると一転、全面開示された。「60周年記念パーティー」の座席表は全面開示されていた。大津市が公文書の開示・不開示の判断を恣意的に行い、情報公開制度がないがしろにされている実態が浮かび上がった。

「70周年記念パーティー」の座席表をめぐる経緯

・2024年11月12日  ウオッチドッグ記者が自治協働課へ情報公開請求
・11月28日  一部の参加者名を黒塗りにする部分開示を決定
・12月20日  ウオッチドッグ記者が情報公開条例に基づき「公文書部分公開決定処分」の取り消しを求めて審査請求
・2025年3月31日  大津市が、部分開示(一部黒塗り)を取り消す決定

ウオッチドッグ記者は、2014年に開催された「60周年記念パーティ―」の座席表を2016年、情報公開請求をし、全面開示された形で入手していた。今回の審査請求書の中で、こうした過去の経緯を、開示を求める理由として主張した。大津市は、部分開示(一部黒塗り)の処分を取り消して、「公開することが妥当」と判断した。つまり、一部黒塗りが一転、全面開示となった。

大津市自治連合会の記念パーティーの座席表が、「60周年」は全面開示、「70周年」は一部が黒塗り。大津市は情報公開制度を恣意的に運用していることがわかった。所管の自治協働課は、その時々の周囲への忖度で、公文書の開示・不開示を決定しているようにしか見えない。

「60周年」の資料を情報公開請求した2016年当時、自治協働課の課長は田中鉄也氏だった。ムダ金問題をウオッチドッグ記者が追及していたことをよくよく知っていた人物でもある。「70周年」パーティーには、自治協働課を統括する市民部長として参加していた。

ウオッチドッグ記者

2016年、ウオッチドッグ記者は、自治協働課の田中鉄也課長(当時)を取材しました。当時は、副市長のコンパニオン接待問題や、市職員らが自治会から一部お金を負担してもらい、懇親会に参加していたことが発覚し、ドロドロ癒着の問題が世間や庁内で注目を集めていました。田中課長は、まるで市自治連合会の〝忠実な犬〟のようになり、ウオッチドッグ記者の追及に、「ああいえばこう言う」で弁明してましたね。懐かしの記事を引っ張り出しますか。

↓2016年11月12日付・大津WEB新報の記事

「懇談会をとりやめる」と越市長/職員22人も自治会負担で飲食/中日新聞が報道/市長関連№10
https://otsu-shinpou.info/web/?p=10451

中日新聞が2016年11月12日付の朝刊で、「大津市職員が、市から補助金を受けている自治会の一部負担で、自治会の視察旅行に同行したり、懇談会で飲食していたことが、市への取材で分かった。自治会との懇談会などを巡っては、副市長ら市幹部が一部負担で飲食していたが、同様の負担は一般の職員まで広まっていたことが明らかになった」と報道した。越直美市長は、11日の定例記者会見で「来年度以降、懇談会自体を取りやめる。飲食を伴わない形の会合にしていきたい」と述べた。

中日新聞の独自取材によると、自治会負担で飲食していた市職員は22人で、合計55万円を返金したという。中日新聞の指摘を受け、自治協働課は、伊香立支所や自治協働課の職員が参加した懇談会や視察旅行を精査。5年間の視察旅行や懇談会で、1人あたりの負担額は最高で20万円だったと報じている。自治協働課の田中鉄也課長は、「今後の視察旅行や懇談会への参加は、必要に応じて検討していく」としたが、取りやめには言及していない。

一方、過去にコンパニオン同席の会合に参加していた越直美市長は、11日の定例記者会見で「来年度以降、懇談会自体を取りやめる。飲食を伴わない形の会合にしていきたい」と述べ、「市主催の宴席を伴う懇談会を全て廃止する」と総務部長名の通知を出したという。

越市長は「コンパニオンが同席していたのは認識していたが、自治会が負担していたことは知らなかった」と釈明した、と中日新聞が報じている。

70周年記念式典の座席表は「公開が妥当」の裁決
(2024年12月20日審査請求、2025年3月31日付で取り消し処分)