大津市の越直美市長が5月10日、琵琶湖ホテルで行われた大津市自治連合会の宴会に出席し、ウオッチドッグ記者の取材に応じた。越市長と記者との一問一答は以下の通り。
市長、写真をいいですか。
はい。
ホテルで、大津市自治連合会と宴会をされてますよね?
はい。
大津市と大津市自治連合会は、利害関係がありますよね。利害関係者との宴会は、問題ではないですか?
規定通りに届け出を出していますから、問題はないです。
今日の宴会は、6000円を超えているんじゃないですか。
今わからないので、いくらかは、後で調べます。
個人で支払っているんですか?
私をはじめ、職員全員、個人で支払いをしています。
昨年は、公費で自治連との宴会代を支払いをされてますよね?
そんなことないですよ。
えっ。報告書で見ましたけど。
そんなことないです。
2年前も?
職員もみんな個人負担でした。
いや。過去には、公費で支払われていました。越市長になってから、公費で宴会代は支払われていないというんですか?
そう認識しています。
それでは、私のほうで、開示された実績報告書を市長までお渡ししますから、調べていただけますか?
そうして下さい。確認します。
利害関係者との宴会が問題ないというご認識のようですが、それなら、宴会で市政のことを話題にされているということですか?
そうです。
では、市民センター統廃合の反対署名の件はどうなったのですか?まだ、住民の署名が提出されていないようですが。
署名については、自治連合会で判断されると思います。
市長は、各学区から署名が出されたら受け取るつもりはあるんですか?
それは、学区自治連合会でどうされるかを判断されることですので、私からどうするということは申しあげることではありません。
この宴会で、自治連合会長から、統廃合の反対署名のことで、何か市長にお話しがありましたか?
ないです。
市政のことを話す宴会ということですが、自治連合会から署名の話は、出ていないということですか?
はい。
越市長はホテルのロビーで、単独で取材に応じた。途中で市民部長と政策監が慌てた様子で宴会のドアから出てきて、「市長、タクシーが来ました」と割って入り、取材が終わった。市長が宴会の席に戻る前に、市民部長らに対し、「市長に報告書をお渡しして、確認してもらう約束をしましたから、記憶して下さい」と伝えた。
<インタビューを終えて>
越市長には快く取材に応じてもらった。
大津市は、2015年4月1日に「大津市職員倫理条例」を定めている。その目的は、「第1条 この条例は、職員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する市民の信頼を確保すること」である。
大津市は、自治連合会や自治会から、飲食の接待を受け続けていた過去があり、大津市と自治連合会の宴会については、何度もメディアで批判報道されている。大津市は、しが自治会オンブズパーソンに、大津市と大津市自治連合会の食糧費裁判も起こされ、敗訴している。こうした過去があり、市民の疑惑や不信を招く行為の防止を図ると言いながら、今も宴会を続けている。利害関係者との宴会でも、個人が支払い、届け出を出せば問題ないというのが市長の主張だ。届け出の提出先は、任命権者だという。任命権者でもある市長や各部の部長が大津市と大津市自治連合会の宴会に参加している。
越市長は過去の自らの発言を忘れて、自分は悪くないという主張を貫こうとする印象を受けた。