大津市の越直美市長を含む市職員22人が、多額の補助金を支出している自治会から飲食費などを負担してもらっていたが、市長らが返金した金額がわかる公文書を、大津市は非公開とした。2016年11月の定例記者会見で、越直美市長は、「返金した」、「調べればわかる」と記者の質問に答えながら、情報公開請求をすると、返金額の一覧は、伊香立学区自治連合会が求めた条件なので、公にはできないとしている。

大津市は、伊香立学区自治連合会へ運営補助金として、地区環境整備事業補助金を毎年500万円を支出している。

↓2016年11月12日付の中日新聞

↓大津市ホームページ/2016年11月11日越直美市長の定例記者会見録から
http://www.city.otsu.lg.jp/shisei/mayor/teireikisyakaiken/h28nendo/1480558526985.html#a5

地区環境整備事業等について

中日新聞
今、行政訴訟の対象になっている地区環境整備事業の関係でお聞かせください。本紙で報道させていただきましたが、市が食料費で公的に開いています環境整備委員会、伊香立学区自治連合会、自治会側の負担でコンパニオンが同席することが慣例化していたと、それで市長の先月の会見、私は出席していないのでホームペ-ジで拝見しただけなのですが、以前、副市長と市幹部で話題が取り上げられたことに関連して、あの時はその場で断ることが難しかったという趣旨であったと思うのですが、市長は今回、担当課は今後はやめていただくということですが、市長の認識をお聞かせください。

市長
これについて、今後は中止をするということです。これはどういうことかというと、確かに市主催のものをやっていたということで、そこに自治会がコンパニオンを呼んでいたということで、その部分について市が主催している中で自治会が呼んだからいいじゃないかという考え方もありますが、やはりそのような行為はやめるべきだというように考えていますので、そもそも市主催の懇親会をやめるということを、コンパニオンをやめるとかそのようなことではなくて、市主催の懇親会自体をやめる、来年度以降もうやめるということで決めています。

中日新聞
地区環境整備事業の補助金は大石や富士見にも出ていると思うのですが、このような懇親会も、開かれていたというような形はあったのですか。

市長
例えば他の学区についても、確認してみないとわからないですが、開かれていた時期はあったと思います。

中日新聞
伊香立学区についてですが、担当課は必要な意見交換の場として公費を支出してきているというご見解の上なのです。こちらの意見交換というのは必要ではないという。

市長
意見交換の場は必要だと考えています。それを市主催の懇親会という場ではなくて、例えば私自身も市民センターに行って話をしたりということもしていますので、市民センターや市役所などで飲食を伴わない形での懇談と、これは非常にごみ行政について地元の理解を得るという意味ではとても大事なことですし、地域のためだけではなくて、大津市民34万人のごみを処理するという意味でも非常に重要なことですので、飲食を伴わない地域に理解を求める懇談、これは大変重要なものだと考えています。

中日新聞
これまでの支出というのは適切だとお考えですか。

市長
これまでの支出自体は、市の支出という意味では適切だったというように考えています。まず議会に承認を得ているということ、そして懇談の必要というのはあったと、ただ今回、違法だとか、だからやめるということではなくて、今後はそのように市民に誤解を招かない形でやっていくということですので、一つの契機であるというように考えています。

中日新聞
担当課によると、私費で皆さんがコンパニオン代を返金されたということになっていますが、市長もご返金されたのですか。

市長
私も返金しました。

中日新聞
お幾らぐらいなのですか。

市長
ちょっと今、正確な金額はわからないです。また言っていただければ調べられると思うのですが、今は正確な金額はわからないです。

中日新聞
そうすると、色々な方、専門家の方に同時に聞く中で、例えばお酒とか女性がいないと話ができないということではないですよね。今後やめられるとのことですので、必ずしも必要じゃないということを、今まで自治会とのコミュニケ-ションとしてできなかったのでしょうか。

市長
そこについては、まず私費を返還したということは、結局はその部分については自治体が負担していると。その部分について市が負担していたということは知らなかったですが、でも来ているということを考えればわかりますので、そこについては当然自分の分をお支払いしたということです。それまで、お酒がないと話せなかったのかということですが、これまではそのような中で長年話してきましたが、今後は切りかえるということです。

中日新聞
市長は、コンパニオンの方が同席されているとご認識はされていましたか。

市長
認識はしていました。

中日新聞
今後はやめようということを、市長がお話しされるということはなかったでしょうか。

市長
私自身は、懇親会自体を、コンパニオンどうこうではなくて懇親会自体をやめようということは、この件に限らず市全体として話してきたことはあります。過去にも見直しをしてきましたが、特にごみ処理行政については、その部分について地域との話し合いが必要だということで続いてきたものだと思います。

中日新聞
学区の自治会連合会の負担で地元の支所の職員さんですとかが、全額ではないにせよ、相応の負担をして研修旅行に付いて行かれてまして、これも先ほど自治協働課に確認をしましたが、昨日付で市役所職員22人が55万円を返金されています。これまでのあり方について適切だったかどうか。

市長
私自身は、これまで自治連合会の事務局を支所がやること自体おかしいということで見直しを求めてきました。そのため、市の中でも順次見直しをしてきて、そのような事務局は持たないというのは市の方向性です。ただ、そこが解消できてなかった部分があったということだと思います。金額については、当然、自分の分は自分で払うということだと思いますので、これからは研修に行かないとか、そのようなことではなくて、事務局をやらないということだと思います。

中日新聞
事務局をやるやらないと、旅行費の負担というのはまた別の問題だと思いますが、どうしてそのように…。

市長
私が聞いた話は、事務局として研修に行ったということだと思うのですが、事務局でなければ研修に行かないということだと思います。

中日新聞
平成27年4月施行の倫理条例との絡みで伺いたいのですが、これから旅行代を負担してもらうとか、飲食費を負担してもらうことは、地元の支所、これは倫理条例に抵触するというお考えはありますか。

市長
飲食費を条例上定められているのは、供応接待を受けるということで、それが供応接待に当たるかどうかということだと思います。あとは、以前あった事例のように、割り勘だと思っていたら多く払われたとか、コンパニオンの部分について考えが至らなかったという部分についてはしっかりお支払いをするということだと思います。

中日新聞
これは条例に抵触するとご認識がありましたか。

市長
そちらについては、条例に抵触するかどうか、供応接待の形態にもよると思います。例えば気づいていなかったということであれば、その部分については当然認識がないわけですから、そこは当然分担をしなければいけないものですので、しっかり分担をするということだと思います。

中日新聞
研修旅行も1回当たり万単位のお金の負担、自治会側の負担というのが発生していますが、それについて、当事者はご認識されている発言をされているのですが、この場合はどうなのでしょうか。利害関係者は接待にあたるのでしょうか。

市長
それについても、やはり当然本人が支払うべきものだし、あとは公務かどうかというところも問題になりますので、そのあたりの検証は必要かなと思います。これについてはちょっと私自身も詳しく事情を把握していないので、しっかり検証することが必要だと思います。

↓返金関係の資料を情報公開請求をすると、秘書課は「存在しない」、所管の自治協働課は「非公開」。