大津市と大津市自治連合会との宴会が5月10日に琵琶湖ホテルで開催されたが、市はこれまでの見解を一転させ、「職員の宴会参加は公務」と位置づけていることが分かった。当日は越直美市長ら16人の幹部職員が出席した。参加費1人8,000円は各自が自己負担しているが、市自治連は利害関係者であるため、「不適切な飲食だ」との批判は避けられない。越市長には、なぜ多数の市幹部が仕事として宴会に参加する必要があったのか、市民に対する説明が求められる。

人事課の職員の話によると、市職員倫理条例を所管する総務部の國松睦生部長が「宴会参加は公務」と位置づけているという。「総務部長は今回の宴会を公務とみているのか、公務でないとみているのか。部長に確認してほしい」というウオッチドッグの質問に対し、人事課の職員が部長に確認して答えた形だ。

市自治連は5月10日に年1度の総会を琵琶湖ホテルで開き、その後、越市長ら計16人の市幹部を招いた宴会を開いている。市自治連側の出席者は約40人。市の職員の参加費は1人8,000円だったが、個人負担し領収書を受け取っている。宴会は立食形式ではなく、複数の円卓に分かれて座り、コース料理が出された。

市職員倫理条例は、補助金を受け取っている市自治連合会のような利害関係者から職員が供応接待を受けることを原則禁じている。ただし、費用を自己負担する場合は利害関係者との飲食を認めており、自己負担額が6,000円を超える場合は、届け出ることを義務付けている。

今回の宴会は、任意団体である市自治連が主催した。私的な会合なので、参加者は自己負担したものの、1人6,000円を超える参加費だったので、条例の規定に基づいて各自で届け出る、という形が取られていた。自治連と直接的な事務決裁がない部局の部長らも、文書を提出していた。

しかし、國松部長の今回の見解はこれを覆すもので、参加者各自が自己負担したとしても、越市長らが組織的に「公務として宴会に参加した」と位置づけ直した。大津市は従来、「職員が会議に参加後、宴会に先だって準備を手伝うことまでが公務。宴会に参加すること自体は公務ではない」との独自の解釈を示していた。

市職員倫理条例は「職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する市民の信頼を確保すること」(第1条)を目的としており、「職員は、市民全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、(中略)常に公正な職務の執行に当たらなければならない」(第3条)などと、職員の自覚を促している。

越市長は宴会途中に、ウオッチドッグの単独インタビューに応じ、「利害関係者と市職員の宴会は問題ないのですか?」という記者の問いかけに対し、「届け出を出しているので、問題ありません」と答えた。

大津市の職員が自治連の宴会に参加している問題は、ウオッチドッグや前身の大津WEB新報で何度も取りあげてきた。2017年2月の宴会に参加した伊香立支所長は、「宴会の手伝いは公務」で、その後の宴会参加は、「参加費を個人で負担し個人的に参加した」と説明していた。この宴会について総務部人事課は、支所長は補助金の直接的な事務決裁者ではないので、利害関係者ではないとの見方を示していた。この支所長は、宴会の飲食に関する届け出をしていなかった。

↓2017年2月16日、20日付大津WEB新報
↓2018年5月12日付ウオッチドッグ

越市長や部長ら16人が参加/「公務ではない」と大津市/自治連合会の大宴会/ウオッチ大津№31