大津市は広報誌「広報おおつ」6月15日号で、市民センター統廃合計画の特集を初めて掲載した。大津市自治連合会の意向を受けて5月21日に住民の署名を受け取り拒否したことが、全国ニュースでも取り上げられる事態となり、慌てて取り繕おうとした意図が透けて見える。大津市が原案を作成したのは4年前にさかのぼるが、市民にはほとんど説明してこなかった。

特集のタイトルは「これからの市民センターについていっしょに考えませんか」。しかし、内容はタイトルとは裏腹。生産年齢人口の減少、社会保障費の増大、10億円の人件費、他自治体の市民センターの数との比較などを交え、来たるべき大津市の財政難を前面に打ち出し、全体を通して「だから、市民センター統廃合は必要ですよね」という大津市の主張になっている。

また、3学区の学区自治連合会が集めた約1万5000筆の署名受け取りを拒否した事実についても、全く触れていない。拒否した理由が、「大津市自治連合会からの要請」だということも述べていない。

2014年度の市民センター統廃合の計画から始まってから、既に4年が経過しているが、大津市が積極的に市民に説明してきたことはなかった。「広報おおつ」が特集を組むことはこれまで一度もなかった。

これまでも不都合な事態が発覚すると、「広報おおつ」を使って大々的に、取り繕ろおうとするのが、大津市のやり方だった。例えば、ウオッチドッグ前身の「大津WEB新報」が、琵琶湖市民清掃の不適切なごみ処分について報道した後、「広報おおつ」は、「今年は大津市が収集・運搬します」とPRした。大津市はあたかも市パッカー車を稼働させるかのように装った。しかし、後の調査で、家庭ごみの4業者へ約2000万円で業務を委託していたことが判明した。