2020年5月19日、ウオッチドッグ記者は、久しぶりに大津市役所の本庁舎へ向かいました。市議会の資料と市政情報課の資料を取りに行く目的でした。行ったついでに、8課を回りました。ウオッチドッグの取材日誌をお届けします。

訪問前の出来事

📞【大津市議会】
大津市議会の本会議や委員会の傍聴禁止が続いているので、そこで、どんな資料が配布されたのか、全くわからない状態だった。議会運営委員会や各委員会の映像は、市議会ホームページで配信されていない。

「市議会ホームページに、委員会の配布資料をアップしてほしい」と市議会事務局に依頼したが、「今すぐは、できません」ということだった。「傍聴ダメ。配布資料もホームページにアップしないってどういうこと?」と思った。今回は、新型コロナ関連の対策支援に関する5月補正予算に関する市議会だった。どうしても資料がいる。ウオッチドッグができるだけ早く伝えたほうがよい情報のはず。仕方がないので、本庁舎まで、取りに行くことにした。

📞【市政情報課】
市役所で職員の感染クラスターが発生する前の3月頃に、情報公開請求の開示通知書が届いていた。閲覧してから、資料を選ぶ段取りだったので、郵送手続きもできなかった。市政情報課に「リスク分散の観点からも、市民センターで情報公開の文書が閲覧できるようにしてほしい。こういう機会だからこそ、新しい形を検討してほしい」と依頼していた。その後、クラスターが発生したので、そのまま、市政情報課で資料を預かってもらっている状態が続いていた。5月に入り、役所もようやく動き出したので、結果を確認することにした。

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5月4日に人事課が、「市民の皆様へのお願いとして、できる限り市役所窓口に来庁せず行える手続きを活用してください」と言っているのに、どうして、本庁舎まで取りに来てくださいとなるんですか。こういう機会だからこそ、支所で手続きできるように、変えればいいんゃないんですか?

ウオッチドッグ記者は、「支所で手続き出来ないのなら、クラウド上でも、データを閲覧できる形にできないんですか?」など、新たな情報公開の開示スタイルを力説していたが、結局、「今後、検討します。今回は、本庁舎まで来てください」ということだった。

↓2020年5月4日・人事課のお知らせ

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役人は前例踏襲主義、右倣い主義なので、新しい仕組みづくりが、なかなかできない。本当だったら、こういう時こそ、政治家の出番だけど、市長&議会村の市議らは、ウオッチドッグで、これまで報道した通りなので、ムーリー。
ここから、8課巡りの取材始まり、始まり

5月19日、大津市役所に着いた。2月に来た時と比べると、来庁者が少なかった。感染防止対策は、それぞれの窓口にビニールシートを貼っていたり、アルコール消毒液などを置いて対策していた。しかし、消毒液の置いている場所がわかりにくかった。

本館1階

別館
【教育総務課】

最初に別館の教育委員会へ行った。ウオッチドッグで、副市長の名前と教育長の名前を写し間違いしていて、19日に修正したが、教育長に直接謝っておこうと思った。

教育長の部屋前まで行って、近くの職員へ話しかけ、事情を説明した。「教育長はこれから、協議に入りますから。お伝えしておきます」ということだったので、ウオッチドッグ記者の名刺を渡して、お詫びの伝言をお願いした。

教育委員会に来たついでに、今後の子どもたちの学習に関する方向性を取材しておこうと思い、取材した。

【学校教育課】
今回のように、新型コロナの影響で自宅待機となった場合、オンラインで勉強ができるようにするため、eライブラリというシステムを導入する予定だという。小、中学校の生徒1人1人にIDを与え、ログインして、家庭学習ができるようにすると説明した。

教育格差が出ないように、ICT機器を持っていない子どもに対しては、タブレット端末の貸し出しなども検討しているという。Wi-Fiなどインターネット環境がない生徒宅もあるので、その場合は、学校内のパソコンがある教室を開放し、そこで、勉強ができるようにすることも検討しているという。

5月21日に再び、学校教育課へ電話取材した。早ければ次週から、「eライブラリ」にアクセスできるようになるかもしれないということだった。現在、行っている子どもたちのID入力作業などの状況によるという。

ログインして、メイン画面に入ると、担任教師の課題などが提示され、その課題を子どもたちがパソコン・タブレット・スマホなどで入力して、解いていく形という。ドリルの紹介などもあるという説明だった。

5月22日に、学校教育課に電話すると、大津市ホームページで「eライブラリの導入について」のお知らせを出しているという。

↓大津市教育委員会/オンライン学習教材「eライブラリ」の導入について
https://www.city.otsu.lg.jp/kosodate/school/home/33783.html

↓PDF:eライブラリ「家庭学習つかいかたガイド」
https://www.city.otsu.lg.jp/material/files/group/131/eraiburaritukaikatagaido.pdf

【学校ICT支援室】
別館の各課をぐるっと回っていたら、以前、いじめ対策室があったところがなくなり、学校ICT支援室ができていた。何の業務をしているのか、どんな資料があるのか、聞いてみた。

学校ICT支援室は、教育委員会の分室のようなところらしく、文部科学省が始めようとしている、「GIGAスクール」を進めていく部署ということだ。まだ、パンフレットのようなものはないという。GIGAスクール構想については、そもそも、文部科学省が、2023年から始める予定だった。しかし、新型コロナの影響で前倒しで始めることになったので、まだ、何もできていない状態ということだ。

↓文部科学省の「GIGAスクール」構想
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm

【管財課】
前日にも電話で聞いたが、本庁舎の会議室の利用状況を聞いた。会議などで、ほぼ使っている状態。庁内の職員の利用がほとんど。会議室を、発送作業として使っている課もあるが、丸1日執務として使っている状態ではない。

本館
【広報課】

本館2階の広報課を覗いて、挨拶した。市政記者室を覗くと、誰もいなかった。18日は、市政記者らが20時頃までいたそうだが、19日はいなかった。机には、さまざまな資料が用意されていた。

ウオッチドッグ記者は、市政記者室のようなところで、他の記者と一緒に机を並べて仕事をするような環境はまっぴらごめんだが、豊富な資料を広報課が全部、用意してくれるのは、楽でいいと思った。集めて回る時間が省ける。それと、記者会見に出て、市長に直接、質問できるのはいい。そこだけは参加したいと思った。

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あのさあ。記者会見に、参加させてくれない。見てるだけにするし。

「見てるだけにするから参加させて」と広報課職員に粘ったが、ウオッチドッグ記者が、おとなしく聞いているだけで終わるわけないと警戒しているのか、「無理です」の一点ばりで断られた。「市政記者クラブへ言えばいいの?」と聞いたが、「誰でも、市民の方が参加できるようにすると、膨れあがりますから」と言っていた。「だったら、質疑応答をカットせず、映像で配信してちょーだい」と伝えた。

【市議会事務局】
市議会から、委員会や予算資料を受け取った。委員会の映像配信については、「検討しています」ということだった。他の自治体のやり方を調査しているとのこと。

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広報課の方が、市議会より先に、YouTubeデビューしたよー。

【人事課】
2交代制のことや庁舎内の対策などを取材した。

「アルコール消毒液が見当たらなかったところもありました」と伝えると、場所を聞かれた。気づいた場所を伝えると、「見ておきます」と話した。

新館1階エレベーター前で撮影

新館
【市政情報課】

新館7階にあった市政情報課だったが、旧部屋が国勢調査で使用するため、臨時に6階へ移動していた。

開示資料を閲覧して、必要な文書を選んだ。「消防団」に関する文書だ。「消防団」に関しては、佐藤市長が、市長選のときのマニュフェストに「消防団への支援の拡充」を掲げていた。ウオッチドッグ記者が、最初に、目が点(+_+)となった「佐藤語録」だった。

↓佐藤市長の市長選時のマニュフェスト(一部)

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消防団って、地域のおっさんたちで構成している団体じゃん。プロの消防隊員や消防車、消防備品などを増やすという目標でなく、なんで、地域のおっさんたちへの支援を拡充することが、「災害に強いまちづくり」になるのさ?

ウオッチドッグ記者の実家は、商店街のど真ん中で商売していた関係もあり、父親は「消防団」に加入していた。当時、日中も地域にいる商店街の主らが、消防団の中心メンバーだった。1970年代は、木造建築が多く、火事が起きたら延焼することがあった。そのため、当時の若いオーナーたちが、消防団として、活発に活動していた時代だった。飲み会も多かった。

現在は、耐火性の高い住宅が増えている。地元商店街が廃れ、昼間いるのは、高齢者、女性、子どもたちの地域が多い。火事が起きても、消防団員らの皆が皆、すぐ駆け付けられるような時代ではない。

かつて、ウオッチドッグ記者の地元では、自治連合会の会議で、自治連合会の会費から、地元消防団に、助成金を出す出さないで揉めたことがあった。「災害で出動したときならともかく、報酬費を市から受け取っている消防団へ、毎年、15万円を連合会費から助成する必要があるのか」という意見が出ていた。「飲み代に使われている」という意見も出ていた。メディアでも度々、問題提起の報道があった。

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ということもあり、消防団関連の資料を入手したが、各学区の消防団員の名簿を見て、笑ってしまった。県議や市議らの名前がずらり。小規模な地域でも、やたらと団員が多い学区があった。大津市議会のドン、60代の竹内照夫市議も、消防団に入っていた。お元気ですなー。訓練しているのかなー??

やはり、佐藤市長の名前もあった。市長選マニュフェスト「消防団への支援拡充」は、自分と仲間うちへの支援金でも増やすつもりだったのかなあ?

それなら、実践力のあるプロの消防隊員を増やして、支援してほしいですねぇ。それも若い人を。

↓参照:2019年1月25日付・西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/481803/

入手した消防団に関する資料を精査して、また、機会があれば報道するつもり。
こうして、ウオッチドッグ記者は、市役所を後にした。

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そういえば、大津市自治連合会のお世話係、自治協働課へ寄るのを忘れていた。以前の電話で、高リスク者が多いので、自治連の爺さんたちは、役所に来ていないと聞いた。かつて、自治連の爺さんたちが集団で、市役所をデイサービス代わりのように使っていたが…。活動停止状態のようだが、それでも、大津市自治連合会長が、運営補助金300万円を、市へ申請したらしい。ちゃっかりしているなあ。