大津市の越直美市長が先月の定例記者会見で、「おいしい」「近江神宮に来られたら琵琶湖ホテルで食事をしていただきたい」などと、1民間企業のメニューを積極的に宣伝していたことがわかった。会見では懐石料理やデザートを試食、カクテルの試飲までしてみせた。大津市の観光振興課は、「百人一首かるたを活用した取り組みを進めている一環として、琵琶湖ホテルからの協力を得たため」と釈明している。
越直美市長は2018年1月18日の記者会見の冒頭で、琵琶湖ホテルが企画した、かるたにちなんだ料理やカクテルなどを、ホテルのバーテンダーらに紹介させた。市長は説明を受けながら試食、試飲を繰り返し、「あっさりしているが、すごくすてきな味がします。全体的にお料理の色がすごくきれいです」などと、絶賛するコメントを連発した。「本当にとてもおいしかったです。ぜひ多くの方に来ていただければと思います。ありがとうございました」と、最後までPRに務めた。
記者会見の場で、1民間企業のメニュー宣伝をする市長の姿勢について、広報課と観光振興課は「琵琶湖ホテルの宣伝ではない。かるたの宣伝です」という回答した。
市長の食レポに疑問を投げかける報道機関はなかった。定例記者会見は、記者クラブの主催で、持ち回りの幹事社が会見を取り仕切ることになっているが、実際は広報課が全て仕切っている。会見の場では、広報課が用意した広報資料を基に、記者が質問し、それを紙面に掲載するという流れ作業のようになっている。
↓2018年1月5日の定例記者会見
http://www.city.otsu.lg.jp/shisei/mayor/teireikisyakaiken/h29nen/1516757247757.html#a2
市長あいさつ
越市長
皆様、新年明けましておめでとうございます。新しい年になりました。今年もよろしくお願いいたします。
大津市では、近江神宮で、天智天皇の第1句が詠まれたことから、かるたを中心とした観光振興に力を入れてまいりました。そして、明日には名人戦やクイーン戦も行われます。特に、漫画の「ちはやふる」が映画になり、それが昨年公開をされて、近江神宮に来られる方も大変増え、入り込み客数が平成28年では56万6,000人となって124パーセント増となりました。
「ちはやふる」については、今まで「上の句」と「下の句」が公開されてきましたが、「結び」というのが今年の3月に公開されます。大津市としてもまたPRをしていければと思います。これまでも色々な食事やスイーツについてもコラボレーションしてきましたが、今回は琵琶湖ホテル様にご協力をいただき、かるたの関連商品として百人一首の御膳、懐石、そしてカクテルができましたのでご紹介をいただきたいと思います。
琵琶湖ホテル
琵琶湖ホテルのレストラン部門では、地産地消、リスペクトローカルというテーマをもとに商品開発を進めています。今回、百人一首というテーマで、こちらのお料理の方を2品、こちらが御膳の「色冠」というものでございます。こちらはディナーの懐石で「歌枕」という名前がついています。今回、百人一首をテーマということで考えた点で、やはり百人一首の世界観をお料理でどう表せるかなということで、華やかな感じの見た目に一番気を使いまして、その他、歌から「ちはやふる」の歌と、滋賀県を歌った歌から2首、また、季節的に春の歌から1首、こちらを歌の句の中にあるものにお料理をかけました。
「ちはやふる」ですと、少し季節はずれるのですが、もみじのきれいな竜田川の歌が出てきて、こちらは真鯛の竜田焼き、ディナーの方はフグの竜田揚げや、滋賀県の歌で「さねかづら」という文章が出てくるのですが、そちらが赤いナンテンの実のような花があり、イクラのお寿司で表してみました。あとは、ヨモギであったり、山菜であったりという歌が出てきますので、そちらを少し使ってお料理として表現してみました。
地産地消といいましても、いつも滋賀県産の食材を使うだけではなく、そこに携わる方たち、生産者の方たちの思いをどれだけ表現して皆さんに発信していけるかというのを常に心がけ開発しています。
次に、カクテルについて、バーテンダーの方から説明があります。
琵琶湖ホテル
今回、百人一首カクテル第2弾といたしまして、新たに4種類の歌をモチーフにしたカクテルを作らせていただきました。前回第1弾では、近江神宮にゆかりのあります天智天皇の歌った歌など3種類の歌になぞらえまして、3つのカクテルを考えさせていただいていたのですが、こちらが予想外の反響を頂戴することになりまして、昨日から新たに4種類、第2弾のカクテルを販売しています。
1つ目が、映画「ちはやふる」のタイトルにもなっています、在原業平が詠んでいた「ちはやふる」という句をモチーフにした「からくれなゐ」というカクテルです。たくさんのもみじをかたどったピールやフルーツなど、鮮やかな赤い色をしたシャンパンであります。
2つ目が、煙がすごく立っているのですが、こちらは「もろともに」という句の中で、修行中の孤独な僧が山で出会った桜の木の圧倒的な存在感というのを、桜の香りのするジンと、こちらの煙も桜の香りがする煙で表現しています。
3つ目が、やはり若い女性に共感しやすいように、隠しきれない恋心を歌った2首、「恋すてふ」と「しのぶれど」という句をイメージしまして、こちらがイチゴを使ったカクテルの「しのぶ恋」と、こちらはお酒が召し上がれない方でも召し上がっていただけるように、キンカンを使ったノンアルコールのカクテル「ひそかな恋」です。
ぜひ、琵琶湖ホテルで百人一首の世界観をカクテルでお楽しみください。
琵琶湖ホテル
よろしければ試食と試飲をしていただければと思います。お料理の方は真鯛の竜田焼きです。
市長
ありがとうございます。いただきます。
琵琶湖ホテル
もみじの風景を出すために、卵黄に明太子を裏ごししたものを少し混ぜて、下味をつけた真鯛に塗って焼いています。
市長
それで綺麗な色に。
琵琶湖ホテル
黄色に赤が少し見え隠れするような感じになっています。
市長
とてもおいしいです。あっさりしているが、すごくすてきな味がします。
全体的にお料理の色がすごくきれいです。
琵琶湖ホテル
見た目、平安絵巻といいますか、そちらの世界観を出せるよう、そういうところに少し気を使っています。
市長
何か全体として本当に色が、こちらもそうですが鮮やかで、十二単のような。
琵琶湖ホテル
カクテルもですが、若い女性の方たちにも喜んでいただけるのではないかと思いまして、ご用意しています。
市長
とてもおいしいです。ありがとうございます。こちらは、「ちはやふる」の竜田川をイメージしたものですか。
琵琶湖ホテル
そうです。元々日本料理で竜田揚げや竜田焼とかいうのがあるのですが、そちらの方をイメージしたものです。
市長
秋の川に紅葉が浮かんでいるイメージ。おいしかったです、ありがとうございます。
琵琶湖ホテル
カクテルはノンアルコールでご用意しています。
キンカンとオレンジを使ったシャーベットですね。
市長
いただきます。甘酸っぱい。甘酸っぱい恋の味がする。
琵琶湖ホテル
こちら、桃のエスプーマで、覆っています。
市長
これは何の句がモチーフになっているのですか。
琵琶湖ホテル
壬生忠見の「恋すてふ」です。
市長
人知れず恋なんですね。本当にキンカンの酸っぱさがすごくおいしい。カクテルも全部色がすごくきれいですね。やっぱりピンクを中心に。
前回も好評だったのですね。
琵琶湖ホテル
はい。結構滋賀県産の食材、日本酒であったり、お茶とか、そのようなものを使ったカクテルはすごく好評だったので。結構若い女性もカクテル目的のご利用とか、他府県からも来ていただきましたので。
市長
このモデルの句が決まっていると何かイメージが湧きますよね。
琵琶湖ホテル
ありがとうございます。
市長
これはすごくきれいですね。これは、浮くというか浮かんでいますね。
琵琶湖ホテル
底の方がゼリーになっておりまして、マスカットのゼリーと、上の方はシャンパンでつくったカクテルになっています。
市長
下がゼリーなのでこのように浮いているようになるのですね。これも本当に紅葉が川に浮いている、そのものですね。
琵琶湖ホテル
まさにそれをイメージしています。
市長
すごいですね。本当にこれはすごいインパクトがある。
琵琶湖ホテル
こちらの「山桜」は、ドライアイスで煙を出しているのですが、こちらの煙に桜の香りがついていますので、鼻でも楽しんでいただけるかと思います。
市長
正月らしいお料理ですね。
琵琶湖ホテル
そうですね。
市長
期間はいつまでですか。
琵琶湖ホテル
昨日から始まりまして、4月末までの予定です。
ぜひ、聖地めぐりをされる方にお食事に寄っていただけたらと思います。
市長
近江神宮に来られて、琵琶湖ホテルでお食事をしていただければと思います。
琵琶湖ホテル
ありがとうございます。
市長
本当にとてもおいしかったです。この句のイメージがすごくきれいに表現されているなと思います。ぜひ多くの方に来ていただければと思います。ありがとうございました。