滋賀県市民オンブズマン(代表、浅井秀明氏)が10月4日、滋賀県の三日月大造知事を相手取り、「南郷水産センター」(滋賀県漁業協同組合連合会が運営)と一般財団法人「滋賀県青年会館」(理事長、岩永峯一元農水大臣)へ貸し出ししている県有地の使用料の減免措置の取り消しと、2憶627万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こした。
原告らは7月12日付で住民監査請求を起こしたが、滋賀県監査委員は、9月5日付の監査結果で、水産センターについて、2016年度から2018年度までの使用料減免について減免のあった日から1年を経過したという理由で、請求を却下した。しかし、原告は、水産センターの使用料が減免されている事実について、5月20日に情報公開請求をして、初めてその内容を把握し、約50日程度で速やかに住民監査請求を行っているのだから、1年経過したことは「正当な理由」があると主張し、仙台高裁や最高裁の判例を根拠として示している。
原告らは訴状の中で、行政財産の賃借、使用の規定について、地方自治法を根拠とし、「使用料を設定する場合において、賃貸借では許されないような価額を設定することが許されない」と主張している。
また、「行政財産を第三者に使用させる以上、使用料は厳正に徴収すべきであり、同じ事情がある場合に、ある者に対しては減免を行い、ある者には減免しないというような恣意的な運用がなされるべきではない」と主張している。
地方公共団体の適切な財産管理という観点から、減免は制限されるべきだとし、「重要度が非常に高い場合のみに限り、50%を限度として減免を認めている」という大阪市の例を比較として取り上げている。
今後、折田泰宏弁護士と浅井亮弁護士が、原告側の滋賀県市民オンブズマンらの代理人となり裁判に臨む。