元農水大臣の岩永峯一氏(77)が理事長を務め、観光ホテルを営業している一般財団法人「滋賀県青年会館」(大津市唐橋町)が、滋賀県へ今年3月に「行政財産使用料減免について」の依頼文書を提出している中で、減免を求める理由が、滋賀県内に100人未満の青年団員と青年団体連合会への支援だったことがわかった。それでも県は青年会館を「公共的な団体」と位置づけ、年間1,000万円以上の優遇措置を続けている。

滋賀県青年団の団員数については、滋賀県青年団体連合会が「300人」と水増しして県へ報告していたことを、ウオッチドッグが2018年4月10日付で報道した。当時の取材では、青年団体連合会の事務局長は県への虚偽報告を認めていた。

ウオッチドッグが調べた結果、青年団は92人だった。内訳は、守山10人、甲賀4人、日野6人、竜王51人、能登川5人、あいとう0、長浜0、今津6人、新旭7人、朽木3人。

事務局長は昨年、ウオッチドッグの取材に対して、団員数を水増しして「およそ300人」と県に伝えたことを認めた。事務局長は「団員の名簿は持っていない。イベントに参加したOBや団員の友人などの数を含めた」と話した。

この事実は、県子ども・青少年局の担当者らに伝えられたが、青年団や青年団体連合会の実態調査などを行っていない。県は、団員数が水増しされたまま、青年会館に対し、県有地の利用料の減免を認め、昨年まで無償、2019年度は年間約19万円で貸し出すことを決めた。

県はこれまで、一般客相手に観光ホテルを営む青年会館の土地代を減免した理由を、「青年団を支援するなど公共的な団体だから」と言い続けている。県内には、同種の公共的な団体が多数存在するが、全てが優遇されているわけではない。県は、青年会館だけを特別扱いしている。

↓参照記事

青年団の人数を3倍に水増し/青年団体連合会が虚偽報告/滋賀県はチェックせず/会館敷地の無償提供問題/ウオッチ滋賀№2