厚生労働省は、2020年度補正予算390億円から、介護施設などへ配布する布製「アベノマスク」を6月下旬に4,000万枚を配布した。さらに7月に8,000万枚を準備し、介護施設などへ、強制配布しようとしていたが、世論の猛反発を受けて、計画を断念した。各社の報道によると、希望する施設のみ配布し、残りは「備蓄」に回すという。「アベノマスク」が、「ムダノマスク」となった。

介護施設などへ追加配布するアベノマスクをめぐっては、ウオッチドッグが7月1日付(ウオッチ霞が関№6)で、「どこが「圧縮」? 886億円のアベノマスク事業/介護施設などへも1億5千万枚/必要性確認せず配付」の見出しで報じている。

6月下旬から7月下旬まで続いた厚労省マスク班への取材では、マスク班職員の二転三転する説明など、取材すればするほど全体像が掴みにくい状態だった。1カ月前にいた職員が突然異動になるなど、マスク班の職員の入れ替わりもあり、現場の混乱が感じられた。

7月27日付で朝日新聞が「布マスク、今後さらに8千万枚を配布 不要論でも発注済」という報道をすると、アベノマスク追加配布の実態が世間に知れ渡り、世論の批判が一気に高まった。朝日新聞の記事中に、厚労省の担当者のコメントが出ているが、「厚労省の担当者は『必ずしもまだ十分マスクが行き渡っていると言い切れない状況の中で、布マスクを配ることで需要を抑制する効果は十分認められる』と説明」とあった。これに対して、Yahoo!のコメント欄では、「別の星にでも住んでいるのでしょうか?」などの驚きの声が寄せられていた。「政府に緊急事態宣言が必要」といった辛辣なコメントも目立った。厚労省の職員へ「『別の星にでも住んでいるのでしょうか?』とまで、書かれてましたよ」と伝えると、記事とコメントに、目を通したと話している。

備蓄される8千万枚のアベノマスクだが、ガーゼという性質上、長期間の保管は、カビの発生が懸念される。8千万枚の保管場所がどこになるのかを確認するため、ウオッチドッグがマスク班に問い合わせても、担当者が電話に出ない状態が続いている。

全戸配布のアベノマスクも余剰分がたっぷりあり、アベノマスクの追加注文を厚労省ホームページで受け付けしている。全戸配布の余剰分に、さらに、介護施設などへ配布予定だった8千万枚が新たに余剰分として加わり、「ムダノマスク」として積み上がる。

世論の批判が大きくなったことを受けてか、厚労省では、国民からの質問や意見を受け付ける「国民の声」の電話窓口を、7月30日に開設している。

↓2020年7月1日付・ウオッチドッグ

どこが「圧縮」? 886億円のアベノマスク事業/介護施設などへも1億5千万枚/必要性確認せず配付/ウオッチ霞が関№6

↓2020年7月27日付・朝日新聞/Yahoo!
https://news.yahoo.co.jp/articles/067dc44c7e681195be4815eaa1aedfd428dd397f

↓2020年7月31日付・朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/DA3S14569300.html