大津市の琵琶湖市民清掃で、関係業者らが毎年、違法に大量の便乗投棄を繰り返していた疑いが極めて濃いことが、過去45年間のデータ分析から明らかになった。ピーク時の1995−1997年のごみ収集量は約1,400㌧に達し、参加者1人平均20㌔以上を集めていた計算になる。2017年の379㌧に比べ約3.7倍にもなる。当時の収集量は、周辺都市に比べても突出している。一方、住民によるごみの集め方は変わっていない。当初から、時間は午前中の30分から1時間程度、場所も近隣に限られている。市環境政策課は「20年以上も前の話なので、わからない。検証のしようがない」としている。

ウオッチドッグが今回入手したのは、主催団体である「琵琶湖を美しくする運動実践本部」の総会資料に記載されていたグラフ。それによると、琵琶湖市民清掃が始まった1972年から、右肩上がりに増え続け、2009年に最大の7万5千人に達した。その後、少しずつ減り、現在は、6万5千人前後となっている。

その一方で、ごみ収集量は、開始時から1990年代後半までは、参加者の増加に比例するように増え続けている。1995年から1997年の3年間は約1,400㌧を記録した。このピークを境に、2000年にガクンと減り、約1,000㌧に。2005年にはさらに半減し、約500㌧へ急下降した。その後も、参加者数は横ばいなのに、ごみ収集量は減少し続け、2011年以降は400㌧前後で推移している。

参加者1人当たりのごみ収集量を算出してみると、不自然さがより際立つ。45年間で最大だったのは、1973年の約33㌔(ごみ収集量約1,050㌧、参加者約32,000人)。続いて、1984年が約26㌔(約15,000㌧、約58,000人)、1995年が約23㌔(約1,400㌧、約60,000人)など。ところが、参加者数はそれほど変動していないのに、2000年からごみ収集量は下がり続け、1人当たりのごみ収集量がぐんぐん下降した。2013年以降は、1人当たり6㌔未満になった。

琵琶湖市民清掃では、小学生から高齢者まで、住民が近隣に出て、手作業でごみを集めている。時間も各地でそれぞれ30分から1時間程度だ。この方法は基本的に従来から変わらない。

こうした不自然な変化と、膨大なごみ収集量について、「琵琶湖を美しくする運動実践本部」の事務局を担う市環境政策課は「20年以上も前の話なのでわからない。引継ぎは受けていない。何をもって便乗投棄というのか。缶1、2本紛れこんだら便乗投棄になるのか。昔は側溝の泥もけっこうな量があったと聞いている」としている。急激なごみ量の変化についても「わからない」と話している。

「琵琶湖を美しくする運動実践本部」の中心団体は、大津市自治連合会などで、本部長は大津市自治連合会長、会計は滋賀県建設業協会大津支部で、事務局は大津市環境政策課が担っている。

大量の便乗投棄繰り返す?

↓2018年度「琵琶湖を美しくする運動実践本部」の総会資料から/ごみ収集量・参加人数の推移

↓参照記事

【解説】不透明な事業「琵琶湖市民清掃」/琵琶湖市民清掃№1