今年で50年目の琵琶湖市民清掃は、「琵琶湖を美しくする運動」という「美しい」名称をつけた裏側で、市自治連合会役員らによる補助金ビジネスが繰り広げられていた。「廃棄物」でない土砂までを、市民が集めた清掃ごみに紛れこませ処分していた。短時間の清掃で、市民が集めたものとは思えない大量の枝木(長尺物)も処分場の手前の仮置き場に運ばれていた。自治連合会が馴染み業者(無許可)らに謝礼金を支払い、収集運搬をさせていた。

こうしたことが長い期間続けられてきた要因は、大津市と自治連合会とのいびつな関係にある。任意団体の市自治連合会が、まるで市担当課の上部組織のように振舞い、法律、条例無視のやりたい放題をやってきた50年といえる。

市民に向けては、「琵琶湖」、「市民清掃」、「美しい」、「市民運動」という、耳障りのよい語句を並べ、清掃に駆り出しながら、各学区が集めたごみの実績報告や収支さえ公開しない。年1回の事業のため、市から560万円の補助金が、市自治連主体の「琵琶湖を美しくする運動実践本部」に出ていることすら伝えない。清掃を呼び掛けている団体が、どんな組織なのか知らされないまま、市民は自治連合会と馴染み業者らの補助金ビジネスのための「ダシ」にされている。「美しい」名前をつける団体には、くれぐれも用心した方がよい。

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ウオッチドッグの前身「大津WEB新報」では、自治連合会と馴染み業者らが補助金ビジネスを繰り返していた実態を、情報公開制度を使って入手した公文書を元に報道してきました。いくつかご紹介しましょう。

任意団体が「協力証明書」発行/大津市の入札で有利に/「不公正な制度」との批判も/市民清掃№52

「協力証明書」多くは自治連役員の地元/唐崎、晴嵐、瀬田など/過去の発行簿/市民清掃№55

補助金で会食やビール/「ジュース、お茶」の規定に違反/「勘違いだった」と大津市/市民清掃№51

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環境省や内閣府にも、大津市と任意団体との癒着関係と、不透明な公金使途について、情報提供したこともありました。その時の取材記録も報道してきました。

「指導しないのは想定外」/大津市に疑念抱く/現状聞いた環境省職員/市民清掃№81

「市民の理解は得られない」/大津市の対応に内閣府/市民清掃№6関連