シリーズ「逃げた監査委員」の第6弾は、謎の「市長の意見書」について。監査委員宛てに佐藤健司市長が「意見書」を提出していました。これは異例のことです。ところが、監査結果には1行も「意見書」の中身が記載されませんでした。

大津市民らは2022年7月29日、琵琶湖市民清掃のごみ収集運搬をめぐり随意契約金1,300万円の返還の勧告を求め、監査請求書を提出しました。その直後の8月15日に、佐藤健司市長が監査委員宛てに「市長の意見書」を提出していました。監査委員は、8月18日に所管課の職員から意見を聞いています。これに続いて、8月20日には請求人の市民らから意見を聞いています。そして、9月26日に「監査結果」を通知しました。

しかし、市長が監査委員宛てに「市長の意見書」を提出していましたが、監査結果にその内容は全く公表されていませんでした。

「市長の意見書」は所管課の職員や市民の意見陳述に先だって、監査委員の手元に届いていました。監査結果によると、所管課の職員は、「市長の意見書」に沿って陳述しています。

監査委員は監査結果に「市長の意見書」の概要すら書いていませんでした。いまだに、「市長の意見書」に何が書かれていたのか、琵琶湖市民清掃のごみ収集運搬の随意契約に問題あり、と訴えた側には知らされていません。

「市長の意見書」の内容にひと言も触れない監査結果は、不備としか言いようがありません。

2022年9月26日の「監査結果」から/市長の意見書の提出