2021年度・琵琶湖市民清掃のごみ収集運搬の随意契約に関する監査請求をめぐり、大津市監査委員事務局から「情報公開請求しないと見せない」と言われた「市長の意見書」が、情報公開請求でようやく開示されました。

9月26日付で監査委員が通知した「監査結果」によると、「市長の意見書」なるものが監査委員宛てに提出さたという。しかし、この「市長の意見書」の内容が、「監査結果」のどこにも書かれていませんでした。その「概要」すらも、書かれていませんでした。監査請求人の市民らが「市長の意見書を見せてほしい」と監査委員事務局へ連絡すると、「情報公開請求せよ」と言われました。「市長の意見書」が提出されているのに、請求人は見ることができないのです。

よくよく過去の住民監査請求について調査すると、監査委員はこれまで、受け取った「市長の意見書」を、「監査結果」の全文を別紙として添付したり、概要として記載したりしていました。ところが、今回の監査結果だけは、「市長の意見書」が記載されていませんでした。つまり、大津市の監査委員は、監査請求ごとに、「市長の意見書」の取り扱いがバラバラだったことが明らかになりました。

内容を精査したら、「監査結果」の「監査委員の判断」の文中に、「市長の意見書」の文言をそのままコピー&ペースト(コピペ)したような箇所がいくつもありました。監査委員が「市長の意見書」を丸写しするとは。

そこで、「市長の意見書」の中から、問題の箇所を抜き出し、ご紹介していきます。ウオッチドッグ記者とウオッチキャットの対話でわかりやすく解説していきます。

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ウオッチキャット
謎の「市長の意見書」が開示されたけど、びっくり仰天の中身だったニャ。
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ウオッチドッグ記者
7月29日の監査請求に対し、9月26日付で監査委員が「監査結果」を請求人に通知した。監査結果の「監査委員の判断」では、8月15日に提出された「市長の意見書」の文言をそのままコピー&ペースト(コピペ)したような部分がいくつかあった。情報公開請求で文書全文が開示されたのでようやくわかった。ウオッチドッグ記者が、同一部分を全て黄色マーカーで印を付けて、確認したよ。
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「市長の意見書」をそのままコピペして使っていたら、監査の意味ないニャ。これじゃ、市長の意向に沿った監査結果だニャ。「監査委員は市長等の指揮監督を受けない独立した執行機関」のはずだニャ。しかし、実際は“お飾り監査“、“茶番監査”。包括外部監査委員のように、きちんと調査してほしいニャ。
佐藤健司市長が監査委員宛に、8月15日に提出した「市長の意見書」表紙
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「市長の意見書」を読んでコピペも驚いたけど、内容の細かさにもびっくり。分量はA4判で4ページ、約6,000文字。市政全体としてどういう方向性でこの事業をしたのかや、公益性がどうのとか、書いたんだろうなあと予想していた。でも、そうじゃなかった。例えば、ごみの集積場所の数まで挙げている。監査請求人が既に提出した証拠資料と同じものを、わざわざ監査委員へ提出しているのも、理解に苦しむ。まるで「量」では負けません、と言わんばかり。こんな事細かな内容を市長自身が書いたとは考えにくい。情報公開請求の時、監査委員事務局が釈明していたけど、実際に書いたのは廃棄物減量推進課でしょうね。
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「市長の意見書」なんて名称にして、監査委員に従わせようとする姑息さが見え隠れするニャ。市長に全て責任を押し付け、担当課は責任を負いたくないという無責任さも根底にあるニャ。
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たとえ、実際には廃棄物減量推進課が書いた「意見書」でも、監査委員へ提出する前に市長にお伺いは立ててるだろうね。これまでずっと監査結果に掲載してきた「市長の意見書」を、今回だけ出さなかったのはなぜでしょう?
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「『市長の意見書』を監査結果につけるな」と命令したのは誰なのかニャ? 代表監査の土屋薫氏? それとも、佐藤健司市長? 謎の「市長の意見書」は、キャットの想像力をかき立てるなあ。