大津市の越直美市長が、11月12日の市議会・特別会議で、コミュニュセンター条例案を提出した。2日間の審議を経て、13日にも採決される。
コミセン条例をめぐっては、市長や市議会の各会派、市政記者クラブなどを巻き込み、ドタバタ劇を繰り返してきた。市民の批判が根強い中、13日の市議会の採決で、今後のまちづくりの方向性が決まる。

12日の特別会議では、市議らから下記のような質問が出て、越市長や井上市民部長が答弁した。

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市議「市民に説明した内容と異なる形に変わった条例案を提出しておきながら、なぜ、説明をしないのか?」

越市長「市として公民館をコミセン化にする方向性は変わっていない。28日に市自治連合会へ説明した」

市議「方向性は変わらないというが、説明した内容が何度も変わっている」

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市議「自治会未加入者もいる中で、大津自治連合会に説明しただけで、市民に説明したといえるのか?説明の場を学区自治連に任せている。市が定める条例なので、説明する主体は市では?」

越市長「大津市としては、平成30年から説明を重ねている。これまでの市民センターあり方検討などでは、学識経験者を招いた事業レビューなどで意見をいただいたり、学区説明会も行った。広報おおつにも掲載した」

市議「越市長は、先月、市自治連が地域に説明する時間が必要だから条例案の提出を見送ったと説明しながら、1ヶ月程度で提出したのはなぜか?市民へ周知したと考える理由は何か?」

市民部長「10月28日に、市自治連合会へ説明する機会を設けた。29日に市自治連合会長から、提出していただいてよいという話があり、周知されているものと認識している」

市議「どこの学区自治連が、コミセン条例案を市民に説明したのか把握しているのか?」

市民部長「どこの学区自治連が説明しているのか、把握していない。条例案については、学区説明会で説明していなかったので、変更も(市民に向けて)説明していない」

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市議「来年4月に間に合わせようと急ぐ理由は何か?」

市民部長「公民館をコミセン化にしたいと希望する学区があるから」

市議「どの学区からそうした要望が出ているのか?」

市民部長「まちづくり協議会のモデル事業をしている学区がいくつかあり、全てではないが、その中から声が出ている。どこがということまでは言えない」

市議「一部の学区を重視して、コミセン化を急いでいる。公平、公正の観点から問題ではないか」
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市議「住民自治の確立と施設運営は別の話では?」

市民部長「魅力あるまちづくりのために、公民館をコミセン化にすることで、地域の主体的な活動を支援していく」

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市議「今回の条例案では、地域ごとにコミセン化するかどうかを決める期間を設けたとするが、地域の総意として、コミセン化をしないと決めた地域に対してはどうするのか?」

市民部長「コミセン化を希望しない場合は、現状のままとなる」

市議「公民館のままなら、現状と同様の水準の予算がとられるのか?」

市民部長「現段階で予算確保の話はできない」

市議「公民館のままと選択した場合、予算を減らされるような兵糧攻めにあうことはないのか?」

市民部長「公民館の予算については、今後のコミセン化の貸室収入を前提にしていない。5年間の中でコミセン化にするかどうかを選択ができる。市としては、コミセン化に進むのがベストと考える」
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市議「これまでの学区の取り組みや実情を踏まえていない。委託と指定管理を抱き合わせて強引に進めているのではないか?」

市長「住民主体の地域自主組織、地域の実情に合わせて設立すべきと思っている。公民館をコミセン化にすることで、地域での連携や多様な主体が参加できると考えている。住民自治の魅力あるまちづくりのために取り組んでいる」

大津市議会・12日特別会議・終了後

ウオッチドッグは、市議らに対する越市長や井上市民部長の答弁を聞き、いくつもの矛盾に気づいた。今後、ウオッチドッグでは、市長らの答弁を検証していく。また、越市長が提出したコミセン条例案を市議一人ひとりがどう判断するか、いっそう注視していく。

↓下記は、特別会議で提出された「議案・第159号」のコミセン条例案

越市長が、9月市議会で提出した議案・第129号のコミセン条例を取り下げて、新たな「新案」を出すつもりだったが見送ったと、10月2日に市政記者クラブに向けて説明していたが、今回、提出された議案・第159号のコミセン条例と前回の議案・第129号を比較して精査すると、「施行期日等」の修正のみだった。

「ただし、次の各号にかかげる規定は同日から令和7年4月1日までの間において、それぞれ規則で定める日から次項及び次条の規定は、公布の日から施行する」の部分が追記されていた。「新案」でもなんでもなく、「修正案」といえる。