ウオッチドッグは、4月〜5月の新型コロナウイルス禍の緊急事態宣言下、大津市議会が市長にどのような要望を出したのかを、情報公開請求で入手した。各会派は独自に要望書をメールまたは、書面で提出していた。しかし、当時の議長、近藤眞弘市議(湖誠会)は、要望のとりまとめもせず、議長名で要望書を1枚も出していなかった。一方、他の自治体の市議会では、議長が各会派の要望をとりまとめて、市長へ提出しているところもあった。
長年、議長、副議長を何人も輩出してきた老舗会派の湖誠会は、市へ要望書を書面で提出したのは、全庁舎閉鎖の期間が終了し、業務再開した5月7日だった。湖誠会のメールでの要望は、4月14日の2件だが、市役所内でクラスター発生が疑われる時期にもかかわらず、「県外からの来訪の自粛を求める」というピントの外れた内容だった。
最初に市への要望で動いたのは、清正会(1人会派)の谷祐治市議で、4月13日に6件の要望がメールで出ていました。翌14日に、公明党(2件)、新和会(7件)、湖誠会(2件)の要望がメールで出ていました。
4月15日に、市民ネット21(3件)の要望がメールで出ていました。
4月17日に、共産党の杉浦智子幹事長名で、要望書(書面3枚)で出ていました。
4月20日に協生会(1人会派)の出町明美市議の要望が、メールで出ていました。
4月20日に、新和会の八田憲児幹事長(当時)名で、要望書(書面1枚)が出ていました。
大津市役所の全庁舎閉鎖について報道されると、一気に、各会派のメール要望が増えました。特に、共産党や公明党など、党組織が堅い会派が、後援会関係者からの問い合わせや要望が殺到したのか、五月雨式にメールで要望が出ていました。公明党は、メール要望だけで、書面での要望書は提出していませんでした。
しかし、4月17日から21日の緊急事態の真っ只中でも、老舗会派の湖誠会(自民党)から、要望は出ていませんでした。
しかし、4月17日から21日の緊急事態の真っ只中でも、老舗会派の湖誠会(自民党)から、要望は出ていませんでした。
全庁舎閉鎖期間中の5月3日に、共産党の杉浦智子幹事長名で、書面の要望書(2枚)が出ていました。
全庁舎閉鎖の最終日5月6日になると、新和会の八田憲児幹事長(当時)名で、2回目の要望書が書面(1枚)で出ていました。
5月7日になると、湖誠会の竹内照夫幹事長名で、書面での要望書が初めて出ました。内容はというと、他会派が既に出した要望を踏襲したようなもの。
5月8日には、協生会(1人会派)の出町明美市議の要望書(1枚)が書面で出ていました。
5月8日に、市民ネット21の要望書が書面(2枚)で出ていました。
結局、書面でも、メールでも、当時の議長、近藤眞弘市議(湖誠会)の名前で、要望書は出ていませんでした。
以下は、大阪府八尾市議会から、八尾市長へ提出された要望書です。議長が、各会派の要望をまとめ、議長名で提出していました。市議会のホームページでも、これまでの要望を掲載していました。
以下は、大阪府八尾市議会から、八尾市長へ提出された要望書です。議長が、各会派の要望をまとめ、議長名で提出していました。市議会のホームページでも、これまでの要望を掲載していました。
八尾市議会で議長が取りまとめた要望の内容を読むと、議員報酬の月額1割削減や、政務活動費の2割の執行留保、議員行政視察旅費の執行の見送りがありました。大津市議会からも、身を削る要望ぐらい出してほしかったですねぇ。
大津市議会や大津市ホームページでは、各会派の要望書を掲載していません。秘書課へ情報公開請求しないと、市議らの要望内容がわからないという状況です。政務活動費(原資は市税金)を、各会派にまとめて支出しているんですから、会派からどのような要望書が市へ提出されたのかを公開してほしいですね。でないと、どのような施策を市議会が要望しているのか、市民はわからないままとなります。予算編成の過程が見えません。
大津市政では、新型コロナ禍の支援策を盛り込んだ予算編成過程がみえないまま、5月、6月、7月と巨額の補正予算案を立て続けに出しました。
野洲市では、会派要望を野洲市ホームページで公開しています。
大津市政では、新型コロナ禍の支援策を盛り込んだ予算編成過程がみえないまま、5月、6月、7月と巨額の補正予算案を立て続けに出しました。
野洲市では、会派要望を野洲市ホームページで公開しています。
草津市では、部局別の予算見積方針が草津市ホームページで詳しくでていました。予算編成過程が公開調書として、公開されています。そのうち、予算に関する要望書の種類を4つに分け、別途、情報公開室で公開していました。
市議らの要望書を情報公開請求しないと、市民に見せないとする大津市政の情報公開のあり方は問題を含んでいます。公開するべき情報でしょう。