厚労省は6月15日、全戸配布の布製マスク(アベノマスク)が「全国で概ね配布完了」と発表したが、残数を把握していないことが分かった。その一方、ホームページ上で追加申し込みを受け付けている。希望者が申し込むと、アベノマスクを日本郵便が届けるとしている。アベノマスクが「終わりの見えない事業」となりつつある。

厚労省はメーカーへ、アベノマスク1億2,600万枚(2枚1組の6,300万セット)を注文したが、全国の世帯数は、約5,900万世帯であることから、アベノマスクが日本郵便に相当な数(単純計算で約400万セット)が残っていると推察される。厚労省は6月15日時点で、日本郵便にあるアベノマスクの残数を把握していないという。ウオッチドッグの取材に対して、日本郵便の担当者は「(アベノマスクの残数を)集計していない。(厚労省ホームページの)概ね完了というのは、全て完了というわけではない。まだ配達は終わっていない」と話した。

厚労省は、現時点でアベノマスクの残数がわからないのに、追加申し込みサイトを作り、受け付けしていることについて、「世帯人数が多くて、足りないから欲しいという人もいる」と説明している。「残数以上の追加申込みが来た場合はどうするのか?」という問いに、「(メーカーへ)追加発注する」と話した。

「概ね配付完了」とした6月15日過ぎても、未配達分や追加申込みの配達が続いているため、日本郵便と厚労省の契約は切れていない。厚労省によると、日本郵便には、配達件数分の手数料を支払う契約となっているという。

厚労省は、アベノマスク専用のコールセンター(土日も業務)も設置してきたが、6月15日以降もまだ業務が続いている。コールセンター業務は1社と契約し、電話対応の人数に応じて、委託金を支払うことになっているという。厚労省は、今後の状況をみながら、コールセンターの委託業者と、これからの契約について協議するとしているが、いつになるかは決まっていないという。

厚労省は、これから精算する経費は、アベノマスク466億円の当初予算(補正予算233億円と予備費233億円の合計)内に抑えるとしている。

↓厚労省ホームページ/布製マスク全戸配布 申し込みサイト(画像)

↓厚労省ホームページから/アベノマスクの全戸配布に関する電話相談窓口
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/cloth_mask_qa_.html

↓厚労省ホームページ/布製マスクの都道府県別全戸配布状況
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/mask.html

↓2020年6月15日付・共同通信

↓総務省ホームページから/2019年1月1日時点の全国の世帯数