厚生労働省が、5月29日付で各都道府県宛に、保健所などの負担を軽減し、情報の共有・把握を迅速化するため、「新型コロナウイルス感染症情報把握・管理支援システム」を導入することを通知している。目的のひとつに、「クラスター対策の効率化が可能に」と書いてあるが、厚労省のホームページの全国クラスターマップは、3月31日時点で止まったままだ。

厚労省の資料によると、「手書き・FAXでの届出からの解放」をうたい文句に、全国から寄せられた情報をオンラインで集めるシステムへ、変更を図った。紙とえんぴつから突然の電子化。これまで、医療機関や都道府県と、手書き・FAXで事務やりとりしていた厚労省が、いきなりの最新システムに対応できるか懸念が生じる。資料を見る限り、役所の視点で作った複雑な仕組みだと言える。

各都道府県宛の事務連絡には、「今後、厚生労働省においては、全国又は都道府県等ごとの統計情報については、HER-SYSに入力された情報に基づいて集計等を行ったものを公表し使用することとする」と書いている。もうすぐ、2カ月になろうとするのに、「HER-SYSに入力された情報に基づいた集計結果」は公表されていない。

新型コロナウイルス感染症の抑え込みで一躍有名になった、台湾のIT担当大臣のオードリー・タン氏と、歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏が、ニューズウィーク日本版で、7月15日、16日、17日と3回にわたって対談している特集が出ていた。「速く、公平に、楽しく」という原則を立て、新しいシステムを次々と作りだした台湾のオードリー・タン氏の取り組みに学ぶことは多い。

↓ニューズウィーク日本版/オードリー・タン氏とユヴァル・ノア・ハラリ氏の対談特集(3回)
https://www.newsweekjapan.jp/yukawa/2020/07/post-23.php
https://www.newsweekjapan.jp/yukawa/2020/07/23.php
https://www.newsweekjapan.jp/yukawa/2020/07/33.php

↓厚労省ホームページ/新型コロナウイルス感染症情報把握・管理支援システム(HER-SYS)の資料から
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00129.html

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国民のメリットって、「スマホでの簡単な報告」だけ?  スマホを使えない高齢者は、どうなるのかあな?  電話で健康状態を報告したとき、「急変時に気づいてもらえないことも」ってどういうこと?
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びっくりしたー。厚労省の資料の「手書き、FAXでの届出からの解放」の文字。報道もされていたけど、あの緊急事態下で、手書き、FAXでやりとりしていたことを、こうも堂々と書くとは…。厚労省ホームページのアベノマスクの追加注文は、パソコンでの入力フォームだった。厚労省へ、医療機関や保健所から、手書きで報告していたとは、摩訶不思議な世界。即席の専用サイトと入力フォームを作れば良かったんじゃないの?
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「クラスター対策の効率化が可能」になったのなら、どこで起きているのか、早くデータを公表してさ。
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こんな複雑なシステムの図解を見て、国民が理解できるのかなあ? 厚労省は、飛躍しすぎじゃないのー。手書きから、いきなりの全国分のクラウドデータ管理。それなのに、公表遅し。ビッグデータにして管理するしか、アイデアなし? もう、こうなれば、プライド捨てて、台湾のIT大臣オードリー・タン氏に、システム作りを依頼してほしい。

↓ニューズウィーク日本版/オードリー・タン氏とユヴァル・ノア・ハラリ氏の対談①「「ピンクのマスクはカッコいい」、誰もがルールづくりに参画できる社会の到来」から抜粋