明治36年2月20日付の滑稽新聞に「賄賂辞典」という記事が掲載された。賄賂流行の世の中であるから、隠語を集めた辞典を編集してみたという。

滑稽新聞は、10個の賄賂に関する単語を紹介している。その中にあった「鰌(どじょう)主義」という明治の賄賂ワードを読んで、ウオッチドッグ記者は「昔も同じようなことをやっているなあ」と思った。

鰌主義とは、「鰌に酒を飲まして煮れば、骨まで柔らかくなる様に、官吏に馳走酒を呑ますれば骨まで柔らかくなる。市役所や協賛会の連中は、絶えずこの主義でやられている」と書いてあった。当時の大阪市役所の官吏らは、馳走酒で骨抜きだったのだろう。

他に「鼻薬」「菓子折」「袖の下」「手の内」など、賄賂を意味する当時の隠語と、使い方を紹介している。

◆「滑稽新聞」は、毎週水曜日に掲載◆

 参照:滑稽新聞とは/コトバンクより
1901年(明治34)1月25日,宮武外骨が大阪で発行した雑誌型(A4判通常20ページ)の権力風刺新聞(月2回刊)。〈強者を挫いて弱者を扶け,悪者に反抗して善者の味方になる〉の発行趣旨のもと,権威をふり回す官吏,検察官,検事,裁判官,政治家,僧侶,悪徳商人,悪徳新聞に筆誅(ひつちゆう)を加え,詐欺広告やゆすりを告発するなど痛烈過激の記事を風刺画入りで満載したため,庶民の人気を集め,最盛期には8万部を発行したという